『魔宮の伝説』では大ケガも! 79歳ハリソン・フォードの伝説を振り返る
映画『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)と『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)が、それぞれ24日と10月1日に、『金曜ロードショー』(日本テレビ系/毎週金曜21時)で放送される。主演を務めたハリソン・フォードは、2022年7月29日米公開予定の『インディ・ジョーンズ』第5弾にも出演が決まっており、79歳でまだまだ現役。そんなハリソンがこれまでのキャリアの中で築いてきた伝説の数々を振り返ってみよう。
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■役者のきっかけは“成績”のため
1942年7月13日、ハリソンは、アメリカのシカゴで生まれた。父は広告会社の重役で、ラジオ俳優の経験があり、祖父はボードビリアン(寄席芸人)だった。子供の頃のハリソンは、父を尊敬しつつも「普通のサラリーマンにはなりたくない」という思いを持っており、また、芸能の道を進むことへの関心もなかった。
ハリソンが役者になるきっかけができたのは、大学生の頃。彼は英文学と哲学を専攻していたが、成績は芳しくなく、良い成績を取るために演劇の授業を選んだ。今の姿からは想像がつきにくいが、実は若い頃は内気な性格だったハリソン。戯曲を読むだけの授業だと思っていたら、実際に舞台に立たねばならず、最初は「怖かった」と語っている。しかし、そんな恐怖に演技で打ち勝つことで、どんどん芝居に魅了されていった。結局、演劇の成績は良かったものの、他の科目の評価は下がる一方となり、大学を中退。役者を志し、学生結婚した妻を連れて、ロサンゼルスへ向かった。ちなみに、行き先は、ロサンゼルスとニューヨークで迷った末、コイントスで決めたそう。コインはニューヨークを選んだが、ハリソンはロサンゼルスを出したいがために、もう一度コインを投げた。その理由については「飢えて凍えるのはごめんだからね」と語っている。
■大工の仕事がハン・ソロ役をつかんだ!?
本格的に役者の仕事を始めるも、すぐには花開かなかった。『現金作戦』(1967)でスクリーンデビューを果たし、少しずつ仕事はあったものの、『…YOU…』(1970)の後、約2年間、映画出演の話が来なかったのだ。養わなければならない家族もいる…そんなハリソンが独学で始めたのが大工の仕事だった。
のちに『スター・ウォーズ』(1978)を撮るジョージ・ルーカスと出会った『アメリカン・グラフィティ』(1974)のオーディションの際も、大工で生計を立てていた。ハリソンは、手に職があったことで、プライドと心の余裕を持ってオーディションに参加。そしてボブ・ファルファ役を獲得した。
『スター・ウォーズ』(1978)のハリソン・フォード 写真提供:AFLO
しかし、ヒット作に出演したものの、ハリソンのキャリアに大きな貢献はせず、まだまだ工具は手放せなかった。そんなある日、ハリソンがフランシス・フォード・コッポラの事務所で大工として働いていると、『スター・ウォーズ』の面接のためにルーカスとリチャード・ドレイファスが入ってきたという。『ゴッドファーザー』(1972)などのキャスティング・ディレクターを務め、ハリソンの友人でもあるフレッド・ルースの一押しもあり、ひょんなことからハリソンはビデオテストに参加。そのチャンスをものにし、見事ハン・ソロ役を射止めたのだ。