“浮気”ドラマの進化系『浮気したら死ぬ』、注目はチョ・ヨジョンが魅せる“スリリングな”男女の愛
アカデミー賞最多4冠を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』でピュアなセレブ妻を演じた女優チョ・ヨジョン。世界中の注目を集めた彼女が、最新ブラック・ラブコメディ『浮気したら死ぬ』ではクールな推理小説家役に挑戦。決して浮気を許せない妻とプレイボーイの夫、嘘の上に成り立った2人の危うい関係は一体どうなるのか? 日本での人気も高い『ペントハウス』シリーズなど“結婚後の男女の問題”が描かれるドラマとも比較しながら、“新しい”ミステリードラマとなった本作の見どころを紹介していきたい。
【写真】美しく、クールな女流推理作家に扮するチョ・ヨジョン
■「浮気したら死ぬ!」命がけの約束をして結婚したはずなのに…
タイトルの“浮気したら死ぬ”とは、弁護士のウソン(コ・ジュン)が美貌のベストセラー作家ヨジュ(チョ・ヨジョン)にプロポーズした際、指輪と一緒に捧げた“身体放棄覚書”の一文だ。この文書は本来、ヤミ金などの高利貸し業者が債務者に書かせる誓約書で、最近ではドラマ『イカゲーム』にも登場した。
11月3日(水)よりDVDレンタル開始 Licensed by KBS Media Ltd.(C)2020 KBS.All rights reserved 発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
命がけの覚書まで書いてヨジュにOKをもらったにもかかわらず、いざ結婚してからは浮気三昧のウソン。世間的には愛妻家として知られているが、実はとんでもないプレイボーイで、ひそかに複数の女性と逢瀬を繰り返している。
そんな中、ウソンは政界進出を目指して、愛人全員との関係を清算することに。ところが、別れ話でもめていた女優のペク・スジョン(ホン・スヒョン)が突然失踪してしまう。警察関係者に知り合いの多いヨジュは、優れた推理能力を生かして失踪事件の捜査に参加。ウソンはスジョンとの不倫関係が明るみになることを恐れ、慌ててマンションの防犯カメラの映像を回収しようとするが…!?
■“浮気”からスタートする夫婦のドラマが多様化
純愛ドラマをはじめ、コメディやファンタジー、学園ものや時代劇など、さまざまなラブストーリーを生み出してきた韓国。その一方で、本作のように、結婚後の男女の愛憎や危機を描くドラマも多様化。ここ2年ほどの間に、英ドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』をリメイクして大ヒットした『夫婦の世界』をはじめ、日本の同名ドラマを原作とした『僕のヤバイ妻』、そして、財閥ファミリーに嫁いだ2人の女性が主人公のサスペンス『Mine』や超高級マンションに暮らすセレブの壮絶な闘いを描く『ペントハウス』シリーズ…などなど、先の読めないスリリングな作品が続々登場している。
これらの作品に共通しているのは、“夫が浮気している”ということ、そしてその事実が物語の早い段階で描かれているという点。ドロドロ愛憎劇の定番パターンの一つに、夫の浮気を知った妻が一度どん底に落ちたあと大変身を遂げ、満を持して復讐を開始、というものがあるが、最近のヒロインは経済的に自立していることも多く、従来のドラマのようにやられっぱなしではない。夫とその愛人にすべてを奪われたり、いきなり濡れ衣を着せられたりするパターンも少なく、むしろ状況を把握した後に冷静に対策を練る姿がかっこよかったりもする。
これらの作品で視聴者が気になるのは「妻は夫の浮気をいつ、どんなふうに知るのか?」、そして「夫の裏切りを知った後、妻はどんな行動を取るのか?」という点。その展開も作品によってバリエーション豊かになってきており、ますます予測不能なストーリーが視聴者を楽しませてくれる。
■ 数々の謎がやがて一気に明らかに――
『浮気したら死ぬ』のヨジュもベストセラー作家として、社会的に成功した女性だ。『パラサイト 半地下の家族』で見せた愛嬌たっぷりの奥様とは違い、いつも無表情でクール。はね上がった目尻のアイラインがトレードマークで、頭の中は、常に新たな殺人のトリックやアリバイ作りのアイディアでいっぱい。“浮気男に対する凄まじい報復”を描く作風で多くのファンを集めており、実際に自分の夫が浮気をしようものなら完全犯罪で殺すと公言している。
妻・クールな女流推理作家(チョ・ヨジョン)VS 夫・浮気のプロの離婚弁護士(コ・ジュン) Licensed by KBS Media Ltd.(C)2020 KBS.All rights reserved
『熱血司祭』のコ・ジュン演じる夫のウソンは、ヨジュの観察力や人並外れた嗅覚に内心ビクビクしながら、細心の注意を払って暮らしている。「そんなに怖いなら、はじめから浮気なんてしなければいいのに…」と思ってしまうが、慌てふためく姿がコミカルで、なんだか憎めない。
そして、国家情報院のチャ・スホ役で華麗なアクションを披露するのは、『偶然見つけたハル』、『ペントハウス』シリーズのキム・ヨンデ。特殊任務としてヨジュの監視を命じられたスホは、作家志望の青年になりすまして助手のアルバイトを開始。寝グセのついた頭でお菓子をぼりぼり食べながらテレビを見ていたかと思うと、突然おしゃれをして刑事の元に向かったり、部屋で時代劇のコスプレをしながら新作の構想を練ったり、突拍子もない行動ばかりとるヨジュに振り回される。
変わり者の作家にしか見えないヨジュがなぜ情報機関に監視されているのか? 女優のスジョンが消えた理由は? ヨジュはウソンの女性関係に気づいているのか? そして、ヨジュが浮気をした男を殺したいほど憎むようになった原因は――? 謎が謎を呼び、やがて一気に明らかになる“驚愕の真実”。韓国で同時間帯視聴率1位を独走するなど視聴者が高く評価したのも納得の展開となっている。
『浮気したら死ぬ』のDVDは本日11月3日(水)よりレンタル開始。