監督が明かす、『ザ・バットマン』で描きたかったこと&描きたくなかったこと<ネタバレあり>
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さて最後に、ここからは『ザ・バットマン』を観た人限定の質問を。
マット・リーヴス版バットマンの世界にロビンが出るのか、ファンならば気になるポイント。そこで「あの市長の息子が将来ロビンになる、というアイデアはどうでしょう?」と伝えてみると、監督から「それはスーパー・クールなアイデアだと思います(笑)」という答えが。
「実は市長の子が出てくるのはブルースの過去を描きたくなかったからなんです。両親の死の場面などは、今まで他の映画で散々やっていますから。ではどうやって過去を現在の中で見せるのか。そこで思いついたのが合わせ鏡のようなあの少年のキャラクターです。あの少年を目にした途端、ブルースに全ての重圧がのしかかるのが見ていてわかる。コンタクトレンズの映像を通して、あの少年を見るアルフレッドは、彼の表情が10歳のブルースがしていた表情と同じなのがわかる」と力説。
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』場面写真 (C)2022 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
さらにこう付け加えた。「最後の方には重要なシーンがあります。ブルースがやっと手を差し伸べ、人々を助けようと決めた時、手を伸ばされた人々は彼を恐れる。でもブルースとのつながりがある少年が、何かを感じ、最初にその手をつかむ。2人のつながりは、とても重要なものでした。彼はバットマンが自分を理解してくれていることを何となくわかっている。それが僕がこの少年に表現してほしかったものです。でも彼がロビンになるかもしれないというのはクールなアイデアだと思います」。
(取材・文:杉山すぴ豊)
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は公開中。