『マイファミリー』飯田P、最終話は「真犯人が誰かをひっくるめて家族に立ち返っていく」
二宮が演じた温人も1話から話が進むにつれてだいぶ印象が変化したが、飯田Pは「それは温人がだんだんと父親になってきたからだと思います」と口にし、「二宮さんは、衣装合わせの時から『家族と向き合うことを逃げていた温人が、もう1回父に戻る姿を表現したい』という話をされていて。最終的に父親に戻れた温人を表現するための逆算の方程式で演技をされていたのではと思います」と解説。
また、「二宮さんは最初から姿勢が全く変わらないです。どんな時でも、シーンが良くなるにはどうしたらいいのかを考えられていて。だから自分をどう見せるかというより、そのシーンの意図とかちゃんと伝わるよう、自分がこの時こうしていた方がこの話が面白くなると、先々を見据えた建築的なスタンスで挑まれていました」と二宮の現場でのスタンスを振り返る。
“俳優・二宮和也”のすごさを感じた演技を尋ねると、「リンクする2つのシーンですが、まずは7話で東堂が犯人だと分かるシーンでの、何か鬼気迫る表情。そこから8話の東堂の語りを見ている時のすごく険しい表情を経て、東堂が覚悟を決め、真犯人に誘拐された実咲ちゃん(凛美)を助けると言った後に、東堂にかける声や表情が、温人が東堂に見せた許しなのか、寄り添っているのか、もう一回親友に戻った感じがあって。すごく自然で絶妙で、僕は好きでした。いろんな感情が入り混じるシーンですが、それが言葉じゃなくて表情で全て伝わってきたのは、本当にすごいですよね」と絶賛する。
一方、1話から一番変わったキャストを問うと、「本当に成長したと思います」と新米刑事・梅木を演じる那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)の名前を。「7日のクランクアップの時に、那須くんに『1話の時と比べて別人になったね』と伝えると、彼は『はい。1話を見て恥ずかしくなりました』と言っていて。今回の現場は、本当に芝居が上手な方々がたくさんいましたが、那須君はとにかく現場でいろんなことを吸収されていました。最初の頃、那須くんは頭がいいので自分の芝居を客観的に見れ、直す部分は分かっているけど、そこを上手く表現として結び付けられてなかった印象でしたが、回を重ねるごとに芝居がすごく良くなっていました」と賛辞の言葉をおくる。
◆最終回の見どころは“真犯人の正体”と“それぞれの家族の未来や結末”
いよいよ最終回を迎える本作。飯田Pいわく、見どころは大きく2つになるそうで、「1つ目が真犯人の正体、それに付随してなぜそういうことになったのかということ。もう1つはそれぞれの家族の未来や結末ですね。『サスペンスじゃない』とずっと言っていたことも含めて、『人間だね』『家族だね』という部分など、犯人が事を起こした理由が腑に落ちると思います。基本的にこのドラマはスケールの大きい話ではなくて、すごく小さな話。誘拐という事件が起こってはいますが、人間関係のもつれやボタンの掛け違いなど、そういったことが全て込められた最終回になっています」と説明。
さらに、「『マイファミリー』というタイトルなので、やっぱり最終的には真犯人が誰かということをひっくるめて家族に立ち返っていく。視聴者の心の中に『家族』『ファミリー』という文字が残るような最終回になってほしい」と期待を込めた。警察の介入なしで犯人に立ち向かって来た温人は、最後どうやって見えない敵に挑むのか――。ラストに待ち受ける真実を見届けたい。(取材・文:高山美穂)
日曜劇場『マイファミリー』最終回は、TBS系にて6月12日21時放送(15分拡大)。