原田龍二「失敗しても人生は続く」 デビュー30周年、モットーは“とにかく一生懸命やる”
「いろいろな出会いを経て、不必要に身につけていたものがどんどんはがれていった」と、鎧を一枚ずつ脱ぎ捨てるようにして歩んだ道のりを振り返った原田。インタビュー中も心の壁を感じさせず、大きな笑顔を弾けさせながら、どんな質問にも気持ちよく答える姿が印象的だ。
“裸俳優”とも称される彼だが、「相手と壁を作ることはないですね。心の扉が開いちゃって、閉じ方が分からないくらい(笑)。周囲から“芸能人なんだから”と言われることもありますが、誰とでもこうやって話しちゃう」と身も心も、まさに“裸俳優”。そんな原田の今のモットーは、「とにかく一生懸命にやること。一生懸命にやることが次につながる」ということ。
「人間、どんなに生きても100歳くらいですよね。そう考えると、お金や名声に執着してもしょうがない。その瞬間瞬間を一生懸命に、楽しく生きることにこそ、意味がある。毎日必死に、悔いのないように生きなくちゃ。常に真剣勝負」と思いを巡らせながら、「仕事に関しては、頂いたものにきちんと応えたいし、それ以上のもので返したい。原田龍二ともう一度仕事をしたいと思ってもらいたいし、そのためにも一生懸命やることが大事だと感じています。“これはローカル番組だから手を抜いていい”なんてことは、絶対にない。なんだって誰かが見ているし、そうやっていくことが絶対に次につながっていく。それは、この仕事の方程式だと思います」と力強く語る。
さらに「いつか死ぬんだと思うと、落ち込んでいるのももったいない」と持論を展開した原田だが、2019年に不倫スキャンダルを起こした時には、「やっぱり落ち込んだ」と苦笑い。
「“なんで俺はこんなことをしちゃったんだろう”って。もちろん自分のやったことは分かっているんですよ。ただそこで、“自分がやったことで、これだけの人が悲しむんだ”ということが、初めて分かった。僕の頭の中では、そこで大改革がありました。きちんと起こしたことに向き合って、そのことによって傷つく人がいるんだと考えることで、どんどん自分が変化していった。これはスキャンダルを体験したからこそ、感じられたことです」と反省しつつ、「失敗しても人生は続く。その上で楽しく幸せに生きるためにはどうしたらいいのかということが、今の自分のテーマになっています」と現在も“修行中”だという。
座敷童と住んでいることを明かしたYouTubeチャンネル『原田龍二のニンゲンTV』も人気で、「座敷童って、怖いものじゃないんですよ。かわいい姿だったらいいなと思いながら、一緒に暮らしています」とここでも壁を作らないボーダレス精神を発揮した彼。最後まで取材班を笑顔で見送るなど、今の原田龍二は謙虚で、目の離せない魅力にあふれていた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
映画『虎の流儀 ~旅の始まりは尾張 東海死闘編~』『虎の流儀 ~激突!燃える嵐の関門編~』は、9月30日より2作連続公開。