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榮倉奈々「夫婦の問題は話し合ってもたぶん多くは答えが出ない」 じっと待てる関係が理想

ドラマ

■自分が思いやりたいと思える相手と、時を重ねていきたい



 話し合いの大切さは、本作にも通じるところ。加奈は出会った男性たちに、自分の疑問を真っすぐにぶつけていく。彼女の物語にも、基になったコラムがある。

 コラムを読んで、「拍手!って感じでした」と興奮気味の榮倉。「とても聡明で理論的な女性だと感じました。でもそうした女性が発言すると、“男性的”とか言われたりする。私は自分と向き合っている気持ちのいい女性だと思いました。頭の中を整理しながらも、エモーショナルに動いている、すてきな年の取り方をしてきたチャーミングな女性だなと。とても理解できるし、素直な部分をうらやましく感じます。そして、彼女が言うように話し合いってすごく大切なことだと思うし、そのためにも、まずは自分の気持ちを相手に伝える、“殻を破る”という行為が一番大事だと感じました」と話す。


 だが、日本では“察する”という行為も美徳とされてきた。「そうした“察する”というコミュニケーションの取り方で、不自由に思ったことが今までに多くありました」という榮倉。そして今は“殻を破り”“話し合う”のは、自分の大切な「家族」だと明かす。信頼している相手だからこそ言葉にでき、言葉にするからこそ、その信頼がさらに厚くなる。また理想の夫婦について思いを馳せると、そうした関係を築いていく“時間”が大切だと思うと口にした。

 「夫婦って、いろんな時期がありますよね。ただ若いふたりだったとき、子どもができて子育て真っ最中のとき、そして子どもが巣立ってからの時間。そうした時間の流れを、静かに、穏やかに楽しんでいる夫婦は、とてもかっこいいと思います。理想ですね。話し合いは確かに大事ですが、夫婦の問題って、話し合ってもたぶん多くは答えが出ない。でもその答えが出ないことを、5年、10年と、じっと待てるかどうかが大きいと思うんです。振り返って、『あのときの話は、こういうことだったんだね』と言い合えるふたりかどうか」。

 じっと待てるかどうか…。「それには、自分が思いやりたいと思える相手かどうか、ですよね。その思いが続けば、一緒に“時間”を重ねていけるんじゃないかなと思います」と穏やかに話してくれた。


 『私が既婚者と寝て学んだこと』には、そうした夫婦ふたりの時間を感じさせるモチーフとして“橋”が登場する。「橋のエピソードは、日本のきれいな水、橋の多さから、日本の良さ、東京の良さを伝えるために廣木監督が入れ込んだそうですが、相手と自分をつなぐアイテムでもあって。私は赤い橋のシーンが、この物語のなかでも一番好きです」とほほ笑む榮倉。「自分の心が穏やかなときに観るのもいいし、寂しいと感じているときに観ると、ちょっと背中を押してくれる作品にもなるかもしれません。どの世代の人がどんなタイミングで観ても、どこかに愛を感じられるドラマになっていると思います」。(取材・文:望月ふみ 写真:高野広美)

 Amazon Originalドラマ『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』は、Prime Videoにて10月21日より世界同時配信(全7話)。

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