2PM・ジュノが語る、除隊後復帰作『赤い袖先』への思い 「自分と主人公のイ・サンがピッタリと一致」
韓国人がもっとも愛する王といわれる、朝鮮王朝時代の名君イ・サンの“初恋”を描き、数々の賞に輝いた史劇ロマンスの大ヒット作『赤い袖先』。本作で主人公イ・サンをカリスマ性と人間味の両面で魅せ、名実ともにトップスターの座を築いたジュノ(2PM)に、本作への思いを聞いた。
【写真】高貴な衣装も似合いすぎ! ジュノが演じる朝鮮第22代王・正祖(=イ・サン)
■ 一番気を使ったのは“歴史的な重み”
――まずは、除隊後初の作品に、本作を選んだ理由を教えてください。
ありがたいことに除隊後、たくさんのオファーをいただきました。いただいたすべての作品の台本を読みましたが、“これ”と選べないほど、どれも素晴らしい台本でした。ただ、そのなかでも『赤い袖先』は、“実在した人物”の愛の物語という点でとても興味を惹かれたんです。実は台本を読んだのは半身浴をしている時でしたが、とても面白くて続きが気になり、浴槽の中で一気に第7話まで読んでしまったほどです。原作の小説があるので、それとは異なる新しい視点で作品を作り出すことができるのでは…と、チャレンジ精神が芽生えました。
また、僕は登場人物を自分に置き換えて台本を読むのですが、このドラマは特に、自分と主人公のイ・サンがピッタリと一致して、出演したいと思うに至りました。
――多くの俳優が演じた名君・正祖(チョンジョ)役を引き受けてみて、どうでしたか?
(C)2021MBC
僕たちが想像する一般的な王のイメージというのがありますよね。謹厳で威厳のある感じ。僕はそんなイメージを破りたかったんです。でもそれは無理だとすぐに悟りました。実在した人物ですし、世間の人が持っている正祖のイメージというものもあります。王の世継ぎですし、立場的にも下手なことはできなかったでしょう。
性格の描写を少しだけ僕が感じたものに変えることはあっても、外から見たイメージは破れなかったですね。なので、できるだけ抑えた演技をしました。もちろん、歩いたり立っていたりする時や、ふさいだ気分で座っている時とかは楽に振る舞えるけれど、それ以外では、いつも正しい姿勢でいるように努力し、口調や行動もできる限り、自分が何を感じているのか表に出さないように気をつけて演じました。息苦しくて、特に撮影の序盤では体が凝り固まって汗をダラダラと流しましたね。もどかしかったです。
――時代劇のために事前に準備したことはありましたか?
まずは乗馬を習いました。それから書道を少し。礼儀作法についても講義を聴きました。あとは個人的に箸遣いの練習をしましたね。僕は左利きで普段は左手で箸を握るので、右手を使ったときの違和感がないようにと。イ・サンは常に刺客に狙われていたような人なので、弓矢など武術の練習や、外見もシャープな印象にしたくて自己管理を徹底しました。1年近く続けたと思います。撮影期間は8ヵ月だったのですが、地道に運動しました。
――演技をする上で一番気を使ったところを教えてください。
やはり感情的な部分ですね。イ・サン(=正祖)と英祖(ヨンジョ)と思悼世子(サドセジャ)の物語は、韓国ではもちろん、海外でもファンの方はご存じだと思います。イ・サンが世孫だった頃、自分の父である思悼世子を見て感じていたこと、祖父・英祖が思悼世子にした仕打ちを見た時の思い、英祖は息子・思悼世子を失い、どんな気持ちで孫のイ・サンに期待したのか……。そんなことを考えながら演じました。実際に起きた出来事ですから、その重みが伝わらなかったら、おなじみのエピソードではなくなってしまいます。一番気を使ったのは“歴史的な重み”の部分です。
そして、そんななかでイ・サンはドギムに出会い、恋に落ちます。ドギムはサンにとって、とても大切で必要な存在、待ち望んでいた存在です。そのことを説明するのに、正祖・英祖・思悼世子の間に起きた出来事が重要なのです。その出来事に対するサンの気持ちを研究して撮影に臨みました。今サンはどんな状況にいて、どんな事件があったか。世孫の地位を廃されるかもしれない立場で、暗殺や謀反のおそれもある。そんな危機感を持って演技をしたと思います。