冨永愛、男女逆転『大奥』で将軍吉宗に 時代劇はかねてよりの念願「勝手に練習してました」
だが、時代劇出演を切望してきたものの、実は「男役で出るつもりだった」と冨永は言う。「俳優もさせていただくなかで、時代劇に出たいと思うのは自然な欲望でした。歴史小説を読んだり、着付けを習ったり、いろいろしてきましたが、では自分がどんなキャラクターができるのかと考えると、まず反物が足りないなと。私が着物を作るときって、男の反物で仕立てるんです。幅が足りないので。既存の着物はサイズがないから、沖田総司のような『実は女だった』説の人とか。あとは男役かなと。習った殺陣も男の殺陣です」。しかし自身の予想を超え、「女の装いの将軍役」となった。「イチから着物を作っていただきました。すごく素敵な着物ですよ」と満足そうにうなずく。
ドラマ『大奥』徳川吉宗×水野祐之進編より (C)NHK
とはいえ、凛々しい立ち姿は想像がつくが、世界のトップモデルと着物姿の女将軍では、やはり違いもある。冨永も「一番難しかったのは歩き方です」と口にする。そして「歩き方って生き様だと思っている」と断言した。
「普段、私はヒールを履いてランウェイを歩いています。その歩き方と、時代劇の歩き方は全く違います。武術が達者な人物としての歩き方もあると思います。具体的にはつま先を使わずに常に重心を真ん中に置くとか。その時代の歩き方をマスターするのはもちろん、歩き方にはその人の性格や人物像が現れます。吉宗は女性らしいわけでもないので、吉宗の立ち方や歩き方をどんなものにするのか、監督さんたちともお話しながら決めていきました」と、冨永ならではのアプローチを明かした。