草なぎ剛、演じる際は「力まず構えず、できるだけ何も考えない」 イメージは“剣士”
――お芝居に定評がある一方で、草なぎさんがドラマの番宣で楽しそうにされている姿を見て、バラエティとの相性の良さも改めて感じました。
草なぎ:バラエティは楽しいけど、違う緊張があるんですよ。ドラマの場合はセリフが決まっているけど、特に番宣だと言うべきことをちゃんと言わないといけないじゃないですか。だから、自分が楽しめているかどうかがいつも1番心配なんですよ。生放送だと、マズイこと言っちゃったらいけないから、せっかく出ているのに楽しめなかったらどうしようという恐怖心がある。怒られてもいいから、バラエティもドラマも思いきりやってやろうとは思うんですが。
――草なぎさんでも怒られることがありますか。
草なぎ:今はコンプライアンス的に厳しくなっているから、「これ言っていいのかな」とか、ちょっとしたことでもすごく考えるわけですよ。それで、すごく疲れちゃうの。自分のYouTubeとかだったらいいけど、同じテンションで出ちゃって、ポロッと変なことを言っちゃうんじゃないかとすごく心配で。だからと言って、硬くなって、何も喋れなかったというのが、番組を終えて帰った時に一番落ち込むときであり、一番怖いことなんですよね。
――正直さも、デニムなどの好きなモノも、考え方も生き方も、ずっとブレない人というイメージがあります。ブレずに生きる秘訣は何ですか。
草なぎ:確かに好きなものは、10代の頃からちょっとずつアップデートして再構築しているだけで、基本的にはずっと変わらないですね。90年代ファッションとかも、リバイバルで今も同じようなものが流行ったりするし、映画などの作品でも、『ゴッドファーザー』シリーズとか『タクシードライバー』とか『パルプ・フィクション』とかに好きなモノは全部詰まっていると思うし、そういう作品がベースになって作られた作品が多い気がするから。奇しくも僕は良い時代に生まれたんだと思います。
――では逆に、変わったもの、昔は苦手だったけど好きになったものなどはありますか。
草なぎ:最近、ギターが好きになったんですよ。昔はそんなに好きじゃなかったけど、ここ10年でギターにハマっています。それに、昔も散々歌を歌っていたけど、実はそんなに好きじゃなくて、音楽も昔はあまり聴いていなかったけど、今のほうが音楽が好きになって、たくさん聴くようになりました。
あ!(不意に身を乗り出し、キラキラした目で)あとはね、大福が好きになったかな。昔は黒豆がついている大福なんて全然食うこともなくて、完全にノーマークだったのに、今は少し好きになったの。だから今、差し入れとかに大福があると、「1個持って帰ろうかな」とか、目の端でちらっと見ちゃっている自分がいてね。そこが1番変わったかもしれないですね(笑)。
(取材・文:田幸和歌子 写真:松林満美)
ドラマ『罠の戦争』は、カンテレ・フジテレビ系にて毎週月曜22時放送。