King Gnu・井口理&馬場ふみか、不器用な2人が向き合う自意識とコミュニケーションの難しさ
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ロックバンドKing Gnuでヴォーカル・キーボードを務める井口理が、俳優として初主演を果たした映画『ひとりぼっちじゃない』が公開を迎える。メガホンをとった伊藤ちひろ監督自ら執筆した小説を10年近い歳月をかけて映画化した渾身作。そんな伊藤監督から主人公のススメは「井口くんしかいない」と熱望された井口はどんな思いで作品に臨んだのだろうか――。井口演じるススメが恋に溺れていく宮子を演じた馬場ふみかと共に撮影を振り返った。
【写真】井口理&馬場ふみか、雰囲気あふれる撮り下ろし2ショット
■僕が失敗したススメを表現してしまったら、取り返しつかない(井口)
バンドのフロントマンとしてファンを魅了してきた井口。同時に映画『劇場』や『佐々木、イン、マイマイン』、『余命10年』など俳優としての活動も行ってきた。そんな井口が、伊藤監督から熱烈なオファーを受け、主演として臨んだのが『ひとりぼっちじゃない』だ。
井口は「やっぱり気合が入りますよね。頑張らなきゃいけないという思いが強かった」と出演を決めたときの心境を振り返ると「すごく大きな重圧でした」と語る。井口と言えばKing Gnuのヴォーカリストとして東京ドーム公演を行うなど、大舞台での経験は豊富だ。それでも「音楽のプレッシャーとは全然違いました」と苦笑いを浮かべると、「音楽もライブ映像として残ることはありますが、やっぱり伊藤監督が長い年月を費やして綴った小説を、10年かけて映画化したわけで。しかも映画というものは、ずっと残っていくもの。僕が失敗したススメを表現してしまったら、取り返しがつかない、汚してしまうんじゃないかという怖さがすごくありました」と相当な覚悟で臨んだ作品だったという。
井口理
そんな井口と対峙したのは、数々の映像作品に出演し、キャリア豊富な馬場だ。「とにかく現場ではものすごい集中力でした」と井口の様子を伝えると、「もちろんKing Gnuとして音楽をやられている井口さんは知っていましたが、その姿とは全然違う井口さんがいました。本当にグッと作品に入っているひたむきな感じはすてきでしたね」と撮影を振り返る。
馬場の発言に井口は「そうせざるを得なかったというか、集中している体をとって自分自身を騙していた感じは強かったんです。というのも、馬場さんは普段からあっけらかんとしていて、スタッフはじめ周囲も明るく笑いの絶えない現場だったんです。その雰囲気に引っ張られてしまったら、ススメは絶対ダメだと思って、必死だったんですよ」と笑う。
馬場ふみか