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中村アン「今やっとスタートラインに立てた」 チャレンジを続ける原動力は「貪欲さ」

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◆パブリックイメージに縛られた過去 「今、やっとスタートラインに」



 これまでの芸能生活では、「5年ごとに大きな出会いがあった。25歳でバラエティで世の中に出て、30歳の頃に『ラブリラン』というドラマで主演をいただきました。そして、35歳の今、初舞台に向かいます」と振り返る。そうして無我夢中で挑戦を続けてきた中村だが、役者としての思いが変わったのは実は2、3年前だという。

 「それまでは、私自身が自分のパブリックイメージに縛られていました。バラエティに出演していた時は、自分を作ることに必死だったんです。どうやって印象を残すか、どうやってパッと見でも分かってもらえるかを常に考えていました。でも、お芝居の畑にきたら、それはいらないものだった。なので、(演じるということは)すごく難しかったです。

私は、初めから女優を目指していたわけではなかったので、自分をどうやって消すのか、どうやって違う人になるのか、その感覚が分からなかったんです。ですが、『名もなき世界のエンドロール』という映画で初めて感情をぶつけるというお芝居をしてから、景色が変わりました。『あれ、何か楽しい!』って。それからは、出会う作品、出会う方々に刺激を受け続けています」。

 そんな中村が目指すのは「期待に応えられる人」。「今、やっとスタートラインに立てたと私は思っています。こうなりたいという理想像があるわけではないですが、自分が選んだ仕事に誇りを持ちたいですし、求められる人でいたいと思っています」と目を輝かせた。

 最後に、『笑ってもいい家』という作品タイトルにちなんで、「笑顔になれる瞬間」を尋ねると「私は大変な時の方が楽しいんです」と満面の笑みで答えてくれた。「何もないのが苦手」なのだという。

 「仕事はもちろん大変なこともあるけどそれが楽しい。常に笑顔で仕事しているわけではないけど、心の中にはいつも喜びがあります。お休みはちょっとでいいんです。長期間休んで落ち着いてしまったら、社会復帰が難しくなっちゃう(笑)。ただ、そうはいっても、役者はオンオフが大きいお仕事。お休みがまとまってあって、その後にスイッチを入れて次の作品に向き合うというペースなので、今が一番、自分と向き合っている時間が長いんです」。

 自分と向き合う時間には「今でも自分のイメージに縛られずに乗り越えるにはどうしたらいいのか考えますし、逆にイメージを持たれるというのは素晴らしく光栄なことだとも思います。有名になったことを窮屈に感じる時もありますが、有名になりたくてやってきたのにそれが窮屈なんて矛盾しているなと思ったり…。そんな余計なことまで考えてしまうから、暇は大敵」と笑いながら本音も明かしてくれた中村。今後も俳優として挑戦を続けていく姿を追いかけたい。(取材・文・写真:嶋田真己)

 演劇集団Z‐Lion 第13回公演『笑ってもいい家』は、7月1日~9日に俳優座劇場で上演。

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