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怖いと話題! 『ミンナのウタ』清水崇監督に聞く怖い映画作りの裏側 幻の後日談もあった

映画

■“さな”ד俊雄”のコラボが実現! イタリアンホラーの引用も話題に

 さて、GENERATIONSはデビュー10周年。清水監督の劇場版『呪怨』(2003)も今年で20周年。舞台化作品『呪怨 THE LIVE』も上演中だ。本作にも郊外住宅地の一角で淀んだ邪気を放つ空き家が登場したり、“俊雄”くんが出てきたりと『呪怨』とのリンクが垣間見える。だが、監督は「意図的な引用はない」とバッサリ。「直感的な発想を即決した結果、原点回帰になったのかも。男の子のオバケ? うん、“俊雄”でいいやって(笑)」。

 しかし、怖すぎると話題になった予告映像(駆け寄る幼い子供が一瞬で少女の幽霊になる)はイタリアンホラーの名作『ザ・ショック』(1977)の引用でしょう?と質問すると、「あれはもう、堂々と再現してやろうと。というか、真似るなら本家を越えねば!…と取り組みました。まぁ僕の映画も散々、あちこちでマネされてるし」とニヤリ。それでも『呪怨』や清水ワールドを壮大にリンクさせる狙いはないと言う。「わかる人に伝わればいいかな、フフフ」と意味ありげに微笑む。

不敵な笑みを浮かべる少女・さな (C)2023「ミンナのウタ」製作委員会
■幻の後日談の存在

 昭和、平成、令和。「スリージェネレーションズ」の怪談や都市伝説の感覚がひとつに連なって新しいうねりを生む、そんな興奮を覚える本作。ひと昔前のレトロなアイテムが「呪物」となり、カセットの「B面」や「逆再生」から秘密を探る展開にも、日常の裏側を覗く怪談の手触りが息づく。

 「アナログ感に対する漠然とした怖さ。そこに若い世代は不思議と心惹かれる」と清水監督は分析する。「今、昭和の歌謡曲が流行ってて、20代の若者が大昔の曲を知っている。白濱亜嵐くんも実際はカセットテープコレクターなんですよ」。

 怪談にはその時代に応じた日常性が色濃く残っている、と監督は考える。「自分のなかを流れた時間が感じられるのが大きな魅力。その文化や庶民性を単にそのまま海外に移しても通用しないけど、例えば小泉八雲のように日本人と結婚し、日本に住んだ外国人にはすごく斬新なものとして映った。各地の伝承を集めて『怪談』を書き残すほどに、ね」。

 「ウタ」の呪いも不滅で、人々を魅了して無限に拡散してゆく。実は本編には登場しない、幻の後日談も存在し、権田自身も自宅で不穏な体験をするエピローグが用意されていた。

 「でも、カットしました。くどいし、怖さが分散するので。えっ、観たかった? 勿体ない? もしかして『ミンナのウタ2』を撮らせようと誘導してます?(笑)」。

 ぜひ! スピンオフもいいですね!

(取材・文:山崎圭司)

 映画『ミンナのウタ』は公開中。

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