石田ゆり子、“理想の上司”評は「役得ですね(笑)」 デビュー35年で培った仕事観とは
額賀澪による経済小説を原作に据え、成田凌が主演を務める、異色の転職エージェントドラマ『転職の魔王様』(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜22時)が「働く全ての人に刺さる」「沁みる」と好評だ。その中で、キーパーソンの1人で、主人公・来栖嵐(成田)が勤める転職エージェント「シェパードキャリア」の社長・落合洋子を石田ゆり子が演じている。成田凌×石田ゆり子のタッグや、姪を溺愛するおばという設定に『逃げるは恥だが役に立つ』を想起する視聴者も多く注目を集める本作について、出演オファーを受けた理由から仕事観、「自分の仕事に迷いを感じたとき」のアドバイスまで、率直に語ってもらった。
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■出演の決め手は“成田凌”と“会社員の世界”
――『転職の魔王様』のオファーを受けた理由はどんなことでしたか?
石田:オファーを受けた決め手は、成田くんが主役ということでした。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(通称『逃げ恥』/2016年・TBS系)で初めてご一緒したんですが、そのときはまだ成田くんがお芝居を始めたばかりの頃で、若いけど、すごく独特な雰囲気と不思議な色気があって、とても魅力的だったんですよ。その後もどんどんご活躍されていて、今、主役をやられるようになられて、また一緒に仕事したいなと思ったんです。
『逃げ恥』以来の共演となる石田ゆり子と成田凌
――久しぶりの共演はいかがでしたか?
石田:成田くんは良い意味で全然変わらない、少年ぽさを持ったままの方で、とても気持ちのいい、チャーミングな青年ですよね。『逃げ恥』では上司と部下で、今回も同じく上司と部下ですが、私が演じている洋子は成田さん演じる来栖嵐さんが唯一ちょっと心を開いている、素を見せるような間柄。洋子は嵐さんがここに来たいきさつとか、何が過去にあったかを分かって雇っているんですが、社長と部下という関係ではありつつも、それよりもどこか距離が近い感覚を持ちながら演じています。
――台本を読んでどんな印象を持ちましたか?
石田:まず転職モノという題材に関心がありました。「働く」ということを、普段自分はこの(芸能の)仕事をしているので、ずっと意識しないでここまできたんですね。でも、今は多様性の時代と言われて、みんな仕事を変わったり、ステップアップしたりするじゃないですか。そういう世界を垣間見たいという思いもありました。
――会社員の世界に触れたことがないからこそ興味があったということでしょうか。
石田:そうですね。私は15歳から芸能界にいるので、アルバイトもしたことがなくて、就職という気持ちもないままこの世界で運良くここまでやってきていますが、もしこの仕事をしていなかったらどんな感じだったのかなと時々思います。
――女優業の他に、エッセイやCDも出されるなど、活動の幅をどんどん広げていて、演じている洋子さんと同じく社長でもありますが、「仕事」とは別の感覚なのですか?
石田:どうしても会社に入社した経験がないので。芸能界は自分のやっていることになかなか満足できない世界で、そんな中、「次、はい次」と目の前のことをこなしていくままに35年経った感覚なんです。
――ご自身の出演作を見返すことはありますか?
石田:ほとんどないですね(笑)。次から次へと先に進まなきゃいけないことがやってくるので、たまたま再放送をしているときに見ることはありますが、あえて見返すことはほぼないです。
――関心があったという会社員の世界をドラマで経験されて、いかがでしたか?
石田:洋子のセリフに「仕事を選ぶことは、生き方を選ぶこと」というのがあって、本当にこのドラマの全てを集約しているなと思いました。みんないろいろ悩んでいるんだなと思いますし、だからこそ好きな仕事をしてほしいなと。やりたいことをやってお金がもらえたら1番いいじゃないですか。幸い自分はそういう風に生きてきたので、だから働いている意識があまりないんでしょうけど、働くことに悩んでいる皆さんにエールが送れたらいいなと思いながら撮影しています。