映画『SAND LAND』田村睦心&山路和弘&チョー、魅力は「キャラクター愛」と「爽快感」
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――作品を見ていると、人間たちがやっていることのほうがよっぽど悪なんじゃないかと思わされます。
チョー:そうですよ。もしかしたら「悪魔」と名付けたのは人間なのかもしれないです。
山路:深いね。
チョー:きっとそうだと思うんですよね。人間がそういう風に作ったというか。
田村:悪魔って言われていますけど、作中での彼らを見ていると純粋に楽しいことを求めているだけですもんね。
チョー:同じ魔物だけど、ちょっと姿形が違うってだけなんですよ、きっと。
田村:作中では色々な種族の魔物もいますが、ちゃんと共存できていますよね。
チョー:そう。共存できている。
映画『SAND LAND』場面写真 (C)バード・スタジオ/集英社 (C)SAND LAND製作委員会
山路:魔物たちを見て、ラオがひとりでずっとほくそ笑んでるじゃん。俺、あれがすごく好きなシーンなんだよね。ラオはきっと「こいつらが一番まっすぐだ」と思っているんだろうな。
田村:ラオもすごく純粋な人間ですよ。
山路:そうだよね。俺が今まで演じてきたキャラのなかでもラオはいちばん真っすぐな人。いつも邪な人ばかりを演じてきたから(笑)。
田村:でも、ハマっていらっしゃいましたよ!
山路:ハマっていたかどうか自分では分からないけれど(笑)。でも、最初こそ見ているのが恥ずかしかったけれど、ずっと見ていると面白くなっちゃう。こいつ、いい奴じゃんって。
チョー:でも、彼は過去に色々とあって、27歳で将軍になって戦死したと思われていたわけでしょ? そんな若いときから今の年齢になるまでずっと悶々と自分のなかで戦いながら生きてきたと考えると、何とも言えないというか。
山路:ずっと保安官をしていたのかな?
チョー:どうでしょう。もしかしたら放浪とかしていたのかもしれない。
山路:まだ保安官になって間もない感じがしたもんね。
チョー:そうだと思います。放浪してズタボロのなかで拾ってくれた村で、ちょっと腕が立つから保安官を頼まれたのかも。それで、「せめてこの村のために、一肌脱ぐか」って気持ちになって、彼は動き出したんじゃないですかね。
映画『SAND LAND』場面写真 (C)バード・スタジオ/集英社 (C)SAND LAND製作委員会
山路:そんな真っすぐな役を俺がやるんだよ? 大変なことですよ(笑)。
チョー:いやぁ、ピッタリですよ。最初に聞いたときは、「山路さん、かたいなぁ」と思ったんです。でもそれが、全編通して見ると実に安定していて安心感があるんです。すげー!と思いました。
田村:声からして誠実でしたよね。
山路:俺だって、かたい役もやるんだから(笑)。