映画『SAND LAND』田村睦心&山路和弘&チョー、魅力は「キャラクター愛」と「爽快感」
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――ラオの印象ついてお話がありましたが、シーフについてはどうですか?
田村:シーフはずっとかわいかったですね。
山路:かわいいよね。
田村:あのぼやきがたまらなかったです。
チョー:ぼやきのシーフですから(笑)。
田村:でも、文句言いながらもなんやかんや付き合ってくれて。しかも意外とノリノリ。
チョー:少年のような心を持っていますよね。
山路:ベルゼブブと車の操縦を取り合うシーンは最高だったね。
映画『SAND LAND』場面写真 (C)バード・スタジオ/集英社 (C)SAND LAND製作委員会
田村:そういえば、鳥山先生はメカとじじいがお好きらしいです。
チョー:へぇ、そうなんだ!
山路:メカとじじい! すごい関係だ。
田村:でも、今回の作品って確かにメカとじじいの魅力にあふれていましたよね。こんなにも登場キャラとキャストの平均年齢が高い作品は昨今あまりない気がします(笑)。いわゆる若者がほぼいない。そして、みんなキャラクターが濃い。
チョー:スイマーズだって年齢高そうだよ。パパや息子達を見ていると、色んな挫折を味わっているような気がします。
山路:確かに!
――ベルゼブブについてはいかがでしょうか?
山路:ベルゼブブもかわいいな。
田村:シーフとはまた違ったかわいさがありますよね。
チョー:演じてみてどうでした?
田村:結構大変でした。ベルゼブブって見た目は子どもなんですけど、年齢は2500歳で人間の善悪も色々と見てきたからか、少し大人っぽい感じもあるんです。それが私の声質でちゃんとカッコよさを出せているのかな?と思っていました。メリハリを付けるのが難しかったという感じです。
チョー:なるほどね。でも、逆にメリハリが付いてないから、よかったんじゃないかな。ピッタリじゃんと思いましたよ。
山路:ブラボーだったね。
田村:ありがとうございます! チョーさんや山路さんとやり取りができたからよかったのかも。
映画『SAND LAND』場面写真 (C)バード・スタジオ/集英社 (C)SAND LAND製作委員会
山路:あの3人のやり取りは漫才だよね。往年の漫才トリオを見ているような。
チョー:チャンバラトリオとかね。漫才トリオには真面目な人がひとりはいることが多いのですが、ラオはまさに真面目ポジション。
山路:確かに、昔の漫才トリオには真面目ポジションがいたよね。
チョー:ナンセンストリオもそうです。みなさん、知らないでしょうね(笑)。今回は、サンドランドトリオですよ。
田村:ラオが真面目ポジションだとすれば、ベルゼブブとシーフはどっちがツッコミですか?
チョー:どちらかと言うと僕(シーフ)だと思います。王子は天然なので。僕のほうが、気が付けばツッコんでいるという。
田村:序盤で変な格好の盗賊団が出てきたときに、ベルゼブブが笑うんですよ。でもシーフが、「方向性は似てますぞ」と言っていたのがツボでした。あのやり取り、最高です。
(左から)チョー、田村睦心、山路和弘
――最後に、本作に関わってみて改めて感じた鳥山先生の作品の魅力や面白さについて語っていただければと思います。
山路:作品全体から、すごく愛情を感じました。それこそ、今日のインタビューで話が出たようにあらゆる種族に愛情を持っているというか。先生は深い方だなと思いました。
チョー:ここまでじじいをしっかり出してくださる、じじい愛が本当に嬉しいですね。ラオの年齢を感じる首筋や頬のコケ具合、いいですねぇ。先生のじじい愛に感謝です。
田村:物語の後半では、見た目がちょっとグロテスクな敵が出てきます。そいつに対してもベルゼブブはちゃんと対話しようとして、何とか助けられないかという気持ちがあるんです。ラオも魔物たちを見て、会話をすることで「話の分かる奴だ」と思っています。共存し合っていこうという気持ちが出ていて、愛に溢れているんですよね。そして、純粋な奴らが腐った世の中をぶっ飛ばすという爽快感が、鳥山先生の作品には詰まっていると思います。見ていて、気持ちがいいです!
(取材・文:M.TOKU 写真:高野広美)
映画『SAND LAND』は、全国公開中。