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デビュー15周年の岡山天音、手探りで始まった俳優人生「カオスの中でもがいていました」

映画

■ 菅田将暉に感じる「仕事を超えた繋がり」



 一方菅田とは、本編のなかでもツチヤが自分の本音を吐露する特に重要な場面での共演。松本穂香も含めた3人でのシーンである。

 「あそこまではセリフが少ないんですけど、あそこで、最初で最後と言っていい、実寸大の自分の中身を吐き出すんです。緊張する場面でしたが、一緒にいたのが菅田くんと松本さんで、何度も共演させていただいたり、いろんな瞬間を共にしてきた方だったので、自分のなかの余計な思考を捨てて、思い切り飛び込んでいけました」と、2人に助けられたと振り返る。

 そして改めて菅田について「事務所に所属して、本格的に活動を始めてから、初めて出たドラマが菅田くんと一緒だったりして、10代の頃から、もう何回共演したかも分からないですし、繋がりも同業っていうだけじゃないんです。僕もツチヤに似て、ちょっと異形な部分がありますけど、そういう周囲とのギャップも面白がってくれる人です。僕は勝手に仕事を超えた繋がりを見出していて。だから菅田くんとのシーンには、そういう空気も作用していたと思います」と、しみじみと語った。

■ 15年のキャリアでも異例の「自分と同類の役柄」に苦戦


 ツチヤを演じるにあたり、「引き裂かれそうになる日々」だったと言う岡山。「外界との断絶されているような役なので。人間社会にいる限り、生きている限り、ただ部屋に座っているだけでも辛くて」としつつ、さらにその理由を、ツチヤは「自分の根源に近いところでやっていた役」だからだと告白した。

 キャリア15年、多くの役を演じてきた。岡山自身、「いろんな出方の役をやらせていただくんですけど、普段はどの役も自分と役との関係、距離感は遠いんです」と分析する。それが「今回は、本当に異例で、自分の中でいろんなことを引いていく作業」で、「自分が自分でいれば」良かったゆえに苦しんだ。

 「理屈でなく周囲や社会から見ると、ツチヤは“カイブツ”と言われてしまう人なのかもしれない。けれど、僕からすると全然“カイブツ”じゃないんです。“カイブツ”って、なにか遠い存在として見ていますよね。だけど、僕はむしろ“同類”だなって。インスピレーションみたいなものが最初にバッ!って入ってきたんです」。「今の自分は社会とのなじみ方も分かってきましたけどね」と前置きしながらも、ツチヤに対して「共感できた」と明かした。

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■ 手探りで始まった俳優人生「カオスの中でもがいていました」

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