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『ソウ』公開から20年! ジェームズ・ワンが今でも大切にしている“当時の学び”を語る

映画

■役者の負担を軽減 前作から進化した撮影方法

ワン:映画全体を通していっぱいありますが、やはりアクションやチェイス・シーンですね。今回はワイヤーに吊られ、セットを縦横無尽するスパイダーカムを使って上から撮影したりしています。

――海中シーンやスペクタクルなど、前作とは違う撮影方法を取り入れたシーンはありますか?

ワン:1作目では、水中で泳いでいるような感覚を作り出すために、役者をリグで吊るす形で撮影していたんですが、そのリグが役者にとって、とても痛くて不快なものだったんです。だから2作目ではVFXチームに役者に負担がない別の新しいやり方がないか相談したところ、彼らが考え出してくれたメソッドがアイラインと呼ばれるものでした。アイラインでは、役者をブースに入れ、100台を超えるカメラで撮影します。あらゆる角度からシーンやセリフを演じている姿を捉え、撮影された役者の映像をその役者自身の3D上にマッピングすることでアニメーションする(動かす)ことができるので、それで泳ぐ動きを表現するわけです。わかりにくいですよね(笑)。でも、実写の撮影とバーチャル撮影を組み合わせることで、水中を泳いでいるキャラクターをどんなアングルからも撮影することが可能になるのが監督としてうれしいところなんです。

(C)2023 Warner Bros.Ent.All Rights Reserved. TM&(C)DC
――ワン監督の作品では毎回カメラワークのアイデアに驚きます。前作から進化した撮影技術などあれば教えてください。

ワン:カメラを動かすのが好きなんです。映画は「motion pictures」とも呼ばれますからね。だから、いつカメラを動かし、いつ動かさないのか、それを知っていることは大切なスキルであり、自分が敬愛するフィルムメーカーたちの多くも、カメラをちょっと動かす以外は何もしていないのに、多くを語ることができる方ばかりです。特に『アクアマン』のような映画を作るにあたってダイナミックなカメラワークというのは、間違いなく非常に重要なツールだと感じています。何度も見たことがあるものでも、何か新しい撮影方法がないか、模索しながらこの映画を作りました。

――ありがとうございます。それでは最後に2本の『アクアマン』を撮り終えて感じる、シリーズの魅力を改めて教えてください。

ワン: 僕自身としては『アクアマン』というキャラクターを、原作とは違った形で新たに描くことができるところかな。何年後かに振り返った時に、僕の『アクアマン』2作を未来の『アクアマン』映画のテンプレートとして使ってもらうこともできる。それは光栄なことだと思っています。

(取材・文:阿部桜子)

 映画『アクアマン/失われた王国』は全国公開中。

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