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麻生祐未、40年超のキャリアには「この仕事向いてない」ともがいた時期も 20代終盤の海外留学が転機に

ドラマ

◆『カーネーション』『ぎぼむす』…「どれも思い入れのある役ばかり」



 あらゆる魅力的なキャラクターに命を与えてきた麻生は、「どれも思い入れのある役ばかり」とこれまでの道のりに思いを馳せ、愛情を傾ける。

 とりわけ俳優として勉強になったのは、NHK連続テレビ小説『カーネーション』(2011〜2012)で演じたヒロインの母親役で、「渡辺あやさんの脚本が素晴らしくて、たった15分という時間の中で、こんなにも面白くできるものなんだと驚きました。同時に15分の中で表現することの難しさも感じて。いろいろなことを考えた作品です」。また「『義母と娘のブルース』(TBS)では、5年半も同じ役を演じさせていただきました。そんな経験は初めてのこと。(下山和子役は)自分の中ではかなり難しい役でしたが、その役柄として年月を重ねていく面白さを感じることができました。視聴者としても楽しみたいドラマです」と先日ファイナルに辿り着いたシリーズも、特別な経験ができた作品だ。

 『JIN-仁-』(2009、2011/TBS)で演じた凛とした母親役も印象深い。かっけ患者に扮するため、体重を8キロほど落として撮影に臨んでいた麻生は、「痩せたりすることは、スポーツ選手が試合に出るために着るユニフォームや、最低出場条件のようなもので。それほど苦に感じたことはないですね。そういうことをすると、役を作っていく上でも大きな助けになる。逆にありがたいです」と微笑み、『テセウスの船』(2020/TBS)で担った狂気をはらんだ女性役など、振り切った役柄については「コントなどもやってきたので、自分の中で“振り切っている”という感覚がなくなってきている。ちょっと危ないですね(笑)。もう恥ずかしいと思うこともないくらい、いろいろなことをやってきました」と楽しそうに目尻を下げる姿からも、充実の時を過ごしていることが伝わってくる。


 「子どもの頃は人前で本を読めないくらい、ものすごく消極的なタイプだったんです。よく『声が小さい』と言われていましたね」と意外な素顔を打ち明けた麻生。「でも台本があったり『こうやったらどうでしょう』という演出を頂いたりすると、いろいろなことをやってみちゃう。何かをやって、誰かに笑ってもらった瞬間って忘れられないような快感があって。『あの役は面白かった』と喜んでもらえることが何よりもうれしい」と俳優業の醍醐味を吐露し、「森繁久彌さんや萩原健一さんなど、たくさんの面白い先輩方とご一緒させていただくこともできました。そういった先輩方のことを考えると、このお仕事にはマニュアルがあるわけではないので、もっと可能性があるはずだと思える」としみじみ。

 「私一人では何もできません。周りの人に恵まれて、皆さんのおかげでここまで来ることができました」と感謝をあふれさせるなど、やはり麻生自身を前進させてくれるのも“人とのつながり”だと話していた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
 
 ドラマ24『闇バイト家族』は、テレ東系にて毎週金曜24時12分放送。

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