橋本環奈、2024年は大阪に縁 “万博前夜”の昭和の家族は「すごく濃くて楽しかった!」
テレビ朝日開局65周年記念 ドラマプレミアム『万博の太陽』場面写真(C)テレビ朝日
――今日子は、1964年の東京五輪閉会式での感動から世界への憧れを抱き、大阪万博で“世界中の人々と交流してみたい”と夢を抱きます。橋本さんは“世界への憧れ”はお持ちですか?
橋本:強く憧れているかというと、そんなこともない気がします。割と周りにそういう人が多いからかな? 世界でお仕事をしたり、世界の人に知られるっていうのは素敵なことだなと思いますし、できれば可能性を広げていきたい気持ちもありますけど、あまり自分の中で“日本”“世界”と区切っていないと思います。多くの人に知られたらうれしいなとか、仕事の幅を世界に広げてみたいという気持ちもあるんですけど、役者としては日本、世界と隔たりを持たず与えられた仕事を誠実にこなしてゆきたいと考えてます。今の時代世界はそこまで遠いものでもないといえるかもしれないですしね(笑)。
――世界とのつながりでいうと、千尋役を務める舞台『千と千尋の神隠し』のロンドン公演も控えています。
橋本:『千と千尋の神隠し』は日本らしさも多分にある名作中の名作。ロンドン公演はキャスト発表前に即完売したと聞きました。世界中で親しまれているジブリが持つパワーみたいなものをすごく感じましたね。
――『千と千尋の神隠し』では、初演から演出のジョン・ケアードさんとお仕事をされています。なにか印象に残っているエピソードはありますか?
橋本:雑巾がけのシーンや、ごめんなさいって謝ったり、一礼したりとか海外にはない日本特有のしきたりや文化が、すごく新鮮だってジョンは言っていました。日本人だったら当たり前すぎて気付かない文化とかも、細かいところであるわけじゃないですか。ジョンや海外の人から見る日本っていう描き方をするのがすごく面白いなと感じています。
あと、前回はダブルキャストでやっていて、今回はいろいろな役でトリプルキャスト、クアトロキャストと人数が増えたんですけど、日本じゃないとこの稽古は成立しないと、ジョンがしきりに言っているのが印象的でした。ダブルキャストとかにしたときに、海外の人たちは別々に稽古をしないといけないんですって、みんな自我が強いから。だからこれだけみんな協調し合って、前回(上白石)萌音ちゃんともそうだったんですけど、みんなで一緒に役を作っていこうとするのは珍しいと。それも日本らしさなんだなと思いました。
――『万博の太陽』でも、日本人らしさや、古き良き日本人の姿が描かれます。最後に本作の見どころを教えてください。
橋本:私はこのストーリーがすごく好きなんです。演じる今日子も明るくまっすぐ進んでいて、無鉄砲なようにも見えるんですけどちゃんと傷ついたり繊細な一面を持っていたりもする。飯豊さんが演じる千夏ちゃんのために頑張ったり、そうした姿がはっきり見えるところがすごく素敵だなと思っています。そこを大切に演じたので、皆さんに伝わったらうれしいです。
ほかにも、この時代の衣装や美術などが本当に素敵なものばっかりなんです。私にとっては初めて見るものも多かったんですけど、そこも見どころの一つかなと思いますので楽しみにしていてください!
(取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美)
テレビ朝日開局65周年記念・ドラマプレミアム『万博の太陽』は、テレビ朝日系にて3月24日21時放送。