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坂本真綾&河本啓佑『下の階には澪がいる』で表現する“心の揺れ” 自身の学生時代も振り返る

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アニメ『下の階には澪がいる』インタビューより(左から)河本啓佑、坂本真綾
アニメ『下の階には澪がいる』インタビューより(左から)河本啓佑、坂本真綾 クランクイン! 写真:吉野庫之介

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 韓国の人気ウェブトゥーンを中国でアニメ化したテレビアニメ『下の階には澪がいる』の日本語吹き替え版が、フジテレビにて放送中。ごく普通の大学1年生の青年・杉浦陽と、同じ下宿先に住むミステリアスな元人気アイドル・如月澪、陽の憧れの先輩である桃井真珠、合コンで出会った三国紗羅、4人の若者たちが繰り広げる青春ストーリーが描かれている。クランクイン!では、澪役の坂本真綾、陽役の河本啓佑にインタビュー。作品や演じる役の魅力を語ってもらった。

【動画】坂本真綾&河本啓佑が『下の階には澪がいる』の魅力を語り尽くす!

■澪・陽を演じることで思い返した20代 揺れ動く心に共感も

――中国で6千万再生を記録。韓国で実写ドラマ化もされた本作ですが、おふたりが最初に物語に触れた際の印象は?

河本:僕は韓国ドラマ版の『イ・ドゥナ』でも陽(韓国版ではイ・ウォンジュン)を演じさせていただきました。最近にしては珍しいほどストレートな恋愛を描いていて、澪、真珠、紗羅の間で揺れ動く陽の姿を見ていると、どこか昔懐かしさを感じさせる作品だなと思いました。

坂本:私は今回のアニメの吹き替えが決まったことをきっかけに、原作漫画を読みました。原作とアニメでは少し雰囲気の異なる部分もありますが、基本的にはとてもリアルな若者の恋愛観が描かれていて、淡々とした手触りの中に「澪は何を考えているんだろう?」「陽はどう行動するんだろう?」「真珠は本当はどう思っているんだろう?」と、惹きこまれる要素がたくさん詰め込まれている。身近に感じられる世界観が魅力的な作品だという印象を持ちました。

――演じる澪と陽の印象、魅力的に感じた部分を教えてください。

河本:陽は本当にどこにでもいる青年。なので、最初はなぜ美女3人にこんなにも好かれるのかわかりませんでした(笑)。ですが台本を読んで役柄を読み解くうちに、滲み出る優しさ、真珠のことを思い続ける一途さ、決して後ろ向きにならないポジティブさなどが陽の魅力になっているのだと感じましたね。また、気まずい空気が流れても笑顔で誤魔化しちゃうところなんかは僕と共通しているなと思いました。

坂本:澪は、とにかくミステリアス。そして、妖艶な雰囲気を纏っていると思いきや、突然子どものようにケラケラ笑ったり、泣いたり。何を仕出かすかわからない部分に強烈に惹きこまれました。その何を考えているのかわからない部分が、物語が展開していくうちに見えて来るんです。そこにも夢中にさせてくれる要素があり、回を追うごとに好きになってしまうキャラクターだと感じました。彼女の仕草や動き、髪の揺れ、瞬きなどの描写もきめ細かくて、単純に外見がかわいいところも魅力です(笑)。

――「自分の中にある不器用な部分を澪に重ねながらご覧になる視聴者の方もいらっしゃるんじゃないかな」と坂本さんは事前にコメントされていました。坂本さん自身が澪に共感した部分はあったのでしょうか?

坂本:私にとっては、なかなか共感することが難しいキャラクターだなと感じました。しかし、澪という役と出会ったことで、「人を好きになるのは理屈じゃないんだな」と思わせてくれた。私の視野を新しく広げてくれた存在になりました。

澪は、陽に出会ったことで成長するんです。澪や陽の年齢の頃って、ちょうど子どもから大人に切り替わる時期で、色々な方々と出会う年齢なんですよね。私にとっての人生のキーパーソンとなる人に出会ったのも、その頃でした。同じ頃に自分を導いてくれる先輩や恩師、友人に出会ったことが、澪との共通点です。

坂本真綾
――真珠という存在がいながら、澪に気持ちが揺れる陽。河本さんは、陽のこういった気持ちに共感する部分はありましたか?

河本:え~っと……。

坂本:あるって言って大丈夫だよ! みんな絶対揺れちゃうって!(笑)

河本:(笑)。一途に思い続けることはステキですが、やはりそう一筋縄ではいかないのが人生ですよね。自分の学生時代を思い返してみて、そんなこともあったな~と思ったり。この作品って、そういった生々しい感情をすごくリアルに描いていてすごいですよね。正直に言いますが、陽には共感しちゃいました。こればっかりはしょうがない!(笑)

河本啓佑
――気持ちが揺れてしまうのは、男性だけでなく女性も共通しますよね。

坂本:運命の人は1人とは限らないと、私は思います。一緒に過ごした時期は特別だし、たとえ思いを通わせなくてもお互いにとってステキな思い出になるから。成就させるだけが恋愛のゴールではないんじゃないかなと思いながら、キャラクターたちのことを見ていました。若い時って、付き合う・付き合わないと結論を出すことがゴールだと思いがちだけど、そうではない。今どういう風にお互いの人生に関わって、支え合っているかが素晴らしいことなのにな~と。オバサンになった今、わかります。若い頃のこと、色々思い出しちゃった(笑)。

――“揺れ”でいうと、澪はかなり情緒が揺れるキャラクター。それは、澪の過去に深く関わっている部分があります。坂本さんも澪と同じく学生時代から芸能活動をされていましたが、その頃、情緒が揺れることはありましたか?

坂本:もちろんありました。色々考えているのに圧倒的に経験が足りなくて、視野が狭くなりがちなんですよね。今考えると「なんであんなに悩んでいたんだろう?」と思います。小さいことも大きく捉えてしまって、切羽詰まった20代前半だったなと。でも今となっては、切羽詰まった時期があったからこそ穏やかな今がある、と感じています。きっと澪も今は人生に挫折したばかりで情緒が安定していませんが、陽という存在に出会って、だんだん変わっていくんだろうな。

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■「男らしさを出さない」「ギリギリのあざとさ」を意識した役作り

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アニメ『下の階には澪がいる』坂本真綾&河本啓佑インタビュー

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