『君は冥土様。』上田麗奈が感じた“家族と居場所”がもたらす温かい絆
――主人公の人好について魅力に感じる部分は?
上田:名前の通り、“お人好し”なところが素敵だなと感じました。常識があり、善悪や倫理感がしっかりしているからこそ、突然やってきた雪さんに最初「うちでは雇えない」と断ったこともすごく理解できて、親近感が湧くキャラクターだなと思いますし、その常識を超えて「困っているから何とかしてあげなきゃ」とか「悲しそうだから元気づけてあげなきゃ」と行動に移せるところが本当に素晴らしいです。
雪さんもそうですが、人好くんも「相手のために何ができるか」を考えて行動できる。そして、ドジっ子な雪さんのことを受け止めてあげる懐の広さもあって、まさに名前にふさわしい、温かくて優しい人だなと思います。
上田麗奈
――人好役の熊谷俊輝さんとかけ合いをした印象は?
上田:嘘偽りのないお芝居が本当に素敵で、マイク前で話しているその言葉が雪さんに真っすぐ届いていて、「この人の言葉には裏がなく、そのまま温かい言葉として受け取っていいんだ」と思わせてくれる魅力があるんです。
そのリアルさが、雪さんの浮世離れした部分を引き戻して地に足をつけさせてくれるような安心感を生み出しているように感じましたし、彼女を演じる私自身もすごく居心地がいいなと思えたのは、熊谷さんの人好くんだったからこそだなと思いますね。
上田麗奈
――熊谷さんは現在高校2年生で、人好とも年齢が近いんですよね。そうした部分もセリフの温度感にリアルさを与えているように思いました。
上田:そうですね。熊谷さんは毎回感動しながらお芝居をされていて、それがとても印象的です。でも、学校で最近あったお話を聞いたり、現場でお母さんが作ってくれたおにぎりを食べている姿を見ると、「やっぱり高校生なんだな……」と感じさせられることもあって(笑)。そうしたギャップも含めて、本当に魅力的な役者さんだなと思います。