音楽家キャットが出会ったのは、100年前の伝説の冒険家?! 『アーネストに恋して』主演ヴァレリー・ヴィゴーダインタビュー
――本作で1番伝えたいメッセージはどんなことでしょうか。
ヴァレリー:シャクルトンは南極で船が難破するという最悪の事態に見舞われましたが、楽観主義と忍耐、そして音楽を手放さなかったことで、困難の中にも美を見出し、苦境を脱することが出来ました。
もしシャクルトンにできたのなら、私たちだって何でもできる。観客の皆さんには、ぜひそんな、楽観的なパワーを受け取っていただきたいです。
こうした思いを象徴するものとして、NYの初日にお客様全員に配ったパッチには、“Hope creates miracle(希望が奇跡を作る)”と印刷してもらいました。また、冷蔵庫などで使っていただくバンジョー型マグネットには、“Play On(弾き続けなさい)”というフレーズがつけられています。
――ヴァレリーさんは現在、何か新作に取り掛かっていらっしゃいますか?
ヴァレリー:はい、本作で組んだ脚本家のジョー、音楽監督のライアン・オコネルととともに、『Miss Foxhole 1975』という新作を準備中です。(注・2023年にカリフォルニアでリーディングを実施)
1975年に士官候補訓練の卒業前にミス・コン出場を命じられた女性たちを巡る、実話に基づく物語です。実は私自身、年代は違いますが、まさに主人公と同じ軍隊訓練の経験があるんですよ(注・士官候補訓練を受けることで得られる大学の奨学制度Army ROTCに参加)。とても楽しい物語なので、わくわくしながら準備しているところです。
松竹ブロードウェイシネマ『アーネストに恋して』場面写真 作品クレジット(C)BroadwayHD/松竹
――では最後に、『アーネストに恋して』に興味を持たれた日本の方々に向けて、メッセージをいただけますか?
ヴァレリー:アーネスト・シャクルトンという人物になじみのない方であっても、本作をご覧になって、こんなにも素敵なヒーローがいることを知ったら、きっと彼のことを好きになっていただけると思います。
彼は一般的にはその“偉業”で知られていますが、本作ではそれにとどまらず、彼の魅力的な人となりを知っていただけると思いますし、現代女性の視点を通して、人と人との心の繋がりがどのように育まれていくか、しっかり描くことが出来たと思っています。
きっと前向きな気持ちになっていただける作品を、どうぞお楽しみください。できれば私も日本に飛んでいって、皆さんとご一緒したいです(笑)。(取材・文:松島まり乃)
松竹ブロードウェイシネマ『アーネストに恋して』は、10月4日より全国順次限定公開。