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チェ・ミンシク、映画人生を振り返り「以前にも増して仕事を愛するようになった」『破墓/パミョ』ロングインタビュー

映画

◆『シュリ』『新しき世界』を振り返って見つめなおす映画への愛


チェ・ミンシク
――日本で韓国映画が広く注目されたきっかけに、チェ・ミンシクさんも出演された1999年の『シュリ』があり、それからもう25年が経とうとしています。どんどん韓国映画は変化し、円熟しているように思えるのですが、チェ・ミンシクさんはどのようにお感じでしょうか?

チェ:韓国映画が変化してきたのはもう自然な流れだと思います。私はこれまで様々な作品に出演してきましたが、実は演技に関しても作品に関しても100%満足していますって言えるものはないんです。

でもそれが人生なんですよね。至らないのも私の人生ですし、そのためにベストを尽くして努力をするのも私の人生だと思っています。時間の流れの中には、デコボコとした部分もあって、それも自然の流れですし。でも、以前にもまして、私は自分の仕事を愛するようになりました。

なので、更に頑張って作品に出たいと思っています。ときどき道草はするかもしれないですけどね。

――チェ・ミンシクさんの人生のデコボコとした中のひとつに2013年の『新しき世界』もあるのではないかと思います。せっかくこうしてお話を聞ける機会も少ないので、このときに演じたカン・ヒョンチョル課長についても、どのように演じられていたのか教えてもらってもいいでしょうか?

チェ:『新しき世界』は、私の役よりも、イ・ジョンジェさんが演じたイ・ジャソンという役のほうが複雑だったんですよね。頭の中で地震が起こるくらい複雑な役でした。なので、ジョンジェさんが「ヒョン(お兄さん)、このキャラクターどうしたらいいんでしょうか?」ってよく聞きにこられていました。

私の演じたカン課長という役は、潜入捜査官であるジョンジェさんを操縦する役でしたよね。内心、申し訳ないと思ったり、葛藤したりしながらも、任務を遂行するために、私的な感情にとらわれないようにするような部分もありました。

その一方で、苦悩したり、むなしさを感じたりもしていました。そして、死を目の前にしたときに言うんですよね。「完全に勝ち目がない」と。カン課長というのは、生きている中で、手にたくさん豆ができるような経験をしてきた人だと思うんです。でも、そんな風に生きてきたからこそ、死を目前にしても余裕があったんじゃないかと思いますね。

もちろん私の役は複雑ではあったんですけど、でも、イ・ジョンジェさんの演じた役よりは、複雑じゃなかったと思いますね(笑)。

チェ・ミンシク
――最後になりますが、『破墓/パミョ』の中でここに注目してほしいというシーンについて教えてください。

チェ:何と言ってもお祓いをするシーンですね。キム・ゴウンさんが「テサルお祓い」というものをするシーンがあるんですけど、まさにハイライトと言えるシーンだと思います。キム・ゴウンさんは本当に努力を重ねて、俳優としては難しい選択だったと思うんですけど、勇敢に場面を表現してくれました。本当に何ヵ月にも渡って、本当に巫堂(ムーダン:霊に仕え、吉凶を占ったり、お告げをする事を職業とする人。主に女性を指す)の先生のところにいって教わっていたんですね。イ・ドヒョンさんも一緒に、太鼓を叩く練習をしていました。それは簡単なことではないと思います。映画の中で身体をピクっとさせるところもあるんですが、それは神が乗り移ってるということなんですね。そういうところまで表現しないといけないので、ディテールにこだわりながら演じていました。そこに注目していただきたいです。

(取材・文:西森路代 写真:上野留加)

 映画『破墓/パミョ』は公開中。

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