楠木ともり&田辺留依、“ニーゴ”コンビが語る『劇場版プロセカ』の魅力 注目の新曲や収録現場の“らしい”裏話も

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「初音ミク Project DIVA」シリーズを手掛けるセガと、サイバーエージェントグループのColorful Paletteとの協業による、iOS/Android向けリズム&アドベンチャーゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク(以下、プロセカ)』を原作とした初の劇場アニメ『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク(以下、劇場版プロセカ)』が1月17日に公開。本作では、ゲームに登場しない新しい「初音ミク」が『プロセカ』のキャラクターたちと出会い、成長していく姿を描く。クランクイン!では、登場人物の「宵崎奏」役・楠木ともり&「朝比奈まふゆ」役・田辺留依にインタビューを実施。『劇場版プロセカ』の魅力やバーチャル・シンガーとの出会いなどを語ってもらった。
【写真】楠木ともり&田辺留依のかわいすぎる撮り下ろしショット
■新しい「初音ミク」の魅力は人間らしい“脆さ”
『プロセカ』は、バーチャル・シンガー「初音ミク」たちの楽曲を演奏するリズムゲームとしてはもちろん、魅力的なオリジナルキャラクターたちで結成された音楽ユニットごとのストーリーも高評価を博している人気ゲーム。楠木演じる「宵崎奏」と田辺演じる「朝比奈まふゆ」は、ボイスチャットツールを通して楽曲制作をしている正体不明の音楽サークル“25時、ナイトコードで。(以下、ニーゴ)”というユニットのメンバーで、本作の彼女たちはとある理由から歌えない「初音ミク」のために曲を作ることになる。
――ゲームとして展開してきた『プロセカ』が、劇場版アニメになると知ったときはどんなお気持ちでしたか?
田辺:各ユニットからたくさんのキャラクターと、そのセカイのバーチャル・シンガーたちが登場し、ゲームにはいない新しい「初音ミク」を救うための物語が描かれるとのことで、新鮮な気持ちで収録に臨ませていただきました。
楠木:私は、ゲームで描かれてきたストーリーをアニメにするのだと思っていたので、本作ではまた違った『プロセカ』の世界観が見られるのが非常に嬉しかったです。それから、“ニーゴ”のメンバーは各々が色んな悩みを抱えているのもあり、そこがどんなふうに描かれるのかも楽しみでした。
『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』場面写真 (C)「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」製作委員会
――ご自身が演じられているキャラクターの紹介をお願いします。
田辺:「朝比奈まふゆ」は、普段は明るく誰からも頼りにされるような優等生的存在なんですが、本当は家族関係で大きな悩みを抱えている子です。
周りが思う優等生な自分と本当の自分との乖離で、だんだんと自分のことが分からなくなってしまう瞬間があるのですが、“ニーゴ”のみんなや「初音ミク」たちに出会って、少しずつ本当の自分を思い出したり知ったりしていきます。
外側の明るい性格と、内側の暗い性格という2面性があるので、ゲームの収録では「明るい性格の方を録ってから内側の性格を録りますか?」と別録りを提案してもらうこともあったのですが、そこは、普段2面性を使い分けて生活している「朝比奈まふゆ」を表現するために両方とも同じタイミングで収録するようにしました。
田辺留依
楠木:「宵崎奏」はすごく温かい家庭に生まれてきて、幼少期から音楽の才能があったんですけれど、自分の音楽でお父さんのことを絶望させてしまったトラウマがあります。その経験から「誰かを幸せにする曲を作らなきゃいけない」「自分の楽曲で誰かを救わなきゃならない」という脅迫観念みたいなものにかられて生活してきた子なんです。
自己犠牲タイプというか、誰かを救うために努力を惜しまないけれど、その分自身のことがおざなりになってしまうのが彼女の抱えてる暗い部分ではあって。ゲームではそういったシナリオもある中で、私は彼女に自分自身のことをもっと大切にしてもいいんだよって伝えたいし、ユーザーの皆さんも同じように考えていると思います。ただ、なりふり構わず誰かを救うために努力ができるところは彼女のよさだとも思うので、不安定で儚いところはあるけれど、強い意志を持っているというギャップがあるキャラクターです。
楠木ともり
――本作では新しい「初音ミク」が目標や希望を失っている人たちに歌を届けようと奮闘する姿が描かれますが、台本を読んだときの感想はいかがでしたか。
田辺:私自身「初音ミク」と出会って救われた瞬間がありまして、本作で登場する人たちも彼女に出会うことで自分の中のセカイが変わっていくんです。そこが個人的にも刺さって、グッとくるものがありました。あと、劇場版で新しく登場する「初音ミク」は日常シーンもすごくかわいいんです!
楠木:劇場版の「初音ミク」は、すごく人間的というか、脆い部分が描かれているキャラクターだなと思いました。今までの『プロセカ』の「初音ミク」って、バーチャル・シンガーであるが故の、気持ちに寄り添ってくれる部分もありつつ、どこか一歩引いたところで見守ってくれてるような存在だったと思うんです。でも、本作ではいつも彼女に支えられてる私たちが逆に「支えたい」と思うような存在になっていて。それがまた新たな「初音ミク」への感じ方になっている気がします。
「宵崎奏」ってゲーム内では、特に「朝比奈まふゆ」を救いたいっていう思いが強くて、今回の劇場版でも新しい「初音ミク」を救いたいと思っている気持ちは一緒なんです。でも、本作の「宵崎奏」は意志の強さとかリーダーらしさがすごく出ていて、今まで私たちが感じてきた「初音ミク」への感謝とか思いを代弁してくれているような印象がありました。