楠木ともり&田辺留依、“ニーゴ”コンビが語る『劇場版プロセカ』の魅力 注目の新曲や収録現場の“らしい”裏話も
関連 :
――ゲーム版と本作でキャラクターの演じ方を変えたりはされましたか?
田辺:「朝比奈まふゆ」の演じ方は特に変えていませんが、現在進んでいるゲーム版のストーリーとも時間軸が違うので、感情の出し方はすごく意識して演じていました。
楠木:「宵崎奏」も時間軸で大きく変わるキャラクターではないんですけれど、本作ではリーダーとしての立ち回りをストーリーとして強く描きたいのかなっていうのを感じました。なので、ちょっとおとぼけや儚い感じというよりは、ここぞってときに決めてくれるカッコいいリーダーを意識して演じてる部分もあったかなと思います。
――本作では、各ユニットの新曲が流れました。新曲に込められたテーマや思いなどあれば聞いてみたいです。
田辺:「みんなを救いたい」「ミクを救いたい」という今までの“ニーゴ”とはちょっと違う思いや視点で曲を歌ったんですが、彼女たちらしく「自分も苦しいけど大丈夫だよ」ってだれかに寄り添えるような楽曲だったんじゃないかと思います。
楠木:うん。まさしく“ニーゴ”の「寄り添う」という、普段から掲げているテーマじゃないですけど、世界観がすごく落とし込まれている曲だと感じます。途中でポエトリーリーディングのような、歌なんだけれどセリフっぽく歌唱するパートがあって、そこは“ニーゴ”の真骨頂というか魅力が発揮されてる部分でもあるので、ぜひたくさん聞いていただければなと思います。
(左から)楠木ともり、田辺留依
――収録現場の雰囲気はいかがでしたか?
田辺:収録は、「東雲絵名」役の鈴木みのりさんや「暁山瑞希」役の佐藤日向さんも含め“ニーゴ”全員で一緒に録りました。…なんですが、なぜか全員の席が結構離れていて…。
楠木:そうだったね(笑)
田辺:4人でギュッと集まればいいのに、離れたところで座っているのがちょっと“ニーゴ”っぽいなって感じました。
楠木:バランス取っちゃったね。でも全然喋らないとかじゃなくて、みんな『プロセカ』が好きで色んな思いもあるから「ここのセリフってこうやった方がいいかな?」とか「ここのアドリブどうする?」とか、現場で初めてシナリオに関してディスカッションを交わすことができてとても楽しかったです。
――おふたりがバーチャル・シンガーに出会うきっかけとなった曲などあれば教えてください。
田辺:私は絵を描くのが好きで、学生時代に友人から「初音ミク」を教えてもらったのがきっかけでした。音楽だと「メルト」が1番最初に触れた楽曲で「こんな世界があるんだ」っていうのを知って、バーチャル・シンガーの世界にのめり込んでいきました。本当に学生時代を支えてくれた存在なので、こうやって「初音ミク」たちの楽曲を声優として歌わせていただけるのがすごくすごく幸せだなって思います。
楠木:私も学生のときに友人から教えてもらって本格的にバーチャル・シンガーの曲を聴きはじめたんですけれど、一番最初の出会いだともっと前で、ネットサーフィンをしているときに、たまたま「Ievan Polkka」っていう曲と出会ったのが「初音ミク」に初めて触れた瞬間だったと思います。最初はバーチャル・シンガーってロボット音声みたいな印象があったんですが、その友人が「息を吸う音が入ってるんだよ」「この歌い方ほんとに人っぽくてすごいよ」など、手厚く教えてくれてどんどんハマっていきました。
――最後に本作の見どころと、公開を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
田辺:ゲームでは全てのユニットが集まってストーリーが展開していくっていうことがなかったので、みんなが集まって「ミクを助けたい」という思いがひとつになっていくのが見どころだと思います。新しい楽曲もそれぞれユニットごとに違った魅力があるので、劇場版を観終わった後は曲も聴いて楽しんでください。
田辺留依
楠木:『プロセカ』のよさって、「初音ミク」たちバーチャル・シンガーが歌う楽曲と、ついのめり込んでしまう魅力的なストーリーとキャラクターにあると思うんです。今回の劇場版もまさしくで、楽曲が本当に素敵ですし、そういった音楽の持つパワーみたいなものがキャラクターたちを通して描かれています。『プロセカ』ファンはもちろん、知らない人でも間違いなく楽しんでいただける内容になっていると思います。ぜひ、劇場に観にきていただけたら嬉しいですし、1回と言わず何度でも劇場に足を運んでみてください。
楠木ともり
(取材・文:舘はじめ 写真:吉野庫之介)
『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』は、1月17日より全国公開。