市ノ瀬加那×矢野奨吾×根本京里が語る『ハニーレモンソーダ』の甘酸っぱい魅力

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フジテレビ「+Ultra」にて放送中のアニメ『ハニーレモンソーダ』は、自分を変えるため自由な校風の高校に入学した石森羽花が、レモン色の髪をした男子・三浦界と出会い、少しずつ成長していく姿を描く青春ラブストーリー。クランクイン!では、羽花役の市ノ瀬加那、界役の矢野奨吾、そして遠藤あゆみ役の根本京里にインタビューし、作品の見どころのほか、自身の学生時代も振り返ってもらい、貴重な青春エピソードを語ってもらった。
【写真】市ノ瀬加那、矢野奨吾、根本京里のインタビュー撮りおろしが満載!
■演じていて感じる“懐かしさ” 甘酸っぱい高校時代を思い出す『ハニーレモンソーダ』
――原作を読んで感じた魅力を教えてください。
根本:キラキラしているストーリーが魅力なのはもちろん、個人的にはその本筋よりも、周りのキャラクターのリアルな描写がステキだなと感じました。教室の端っこで繰り広げられるやり取りに「こういうことあったな~」と懐かしい気持ちにさせられたり、楽しいだけじゃない経験もあったり、そういうことを思い出して、まさにタイトルの『ハニーレモンソーダ』通り、甘酸っぱい気持ちにさせられるなと思いました。
矢野:読んでいて懐かしい気持ちになったのは、僕も同じです。「あの時こうしておけば良かったな」「こういう行動をしておけば、変わっていたかもしれない」と、自分の高校時代を思い返すところがたくさんありました。主人公の羽花ちゃんが、僕ができなかったことに立ち向かっていく姿が描かれているからこそ、そう思ってしまったのだと思います。界の目線で読んでも、羽花ちゃんに引っ張られていく感覚がありました。
市ノ瀬:本当に、『ハニーレモンソーダ』というタイトルにピッタリの物語ですよね。青春がギュッと詰まっていて、主人公の羽花ちゃんがフォーカスされているのですが、それ以外のキャラクターたちの感情の動きも手に取るように伝わって来て、私の心にも刺さる作品でした。
アニメ『ハニーレモンソーダ』第1弾キービジュアル(C)村田真優/集英社・ハニーレモンソーダ製作委員会
――初の3人での座談会ということで、自分が演じたキャラクター以外の印象・アフレコで掛け合ってみての感想を聞かせてください。
矢野:市ノ瀬さんが演じた羽花ちゃんは、第一声から思い描いていた通りの羽花ちゃんそのものでした。儚さの中に力強さがあって、この一瞬を大事にして演じているのが伝わるお芝居でした。
根本:私も、オーディションの時から「羽花=加那ちゃん」というイメージでした。そのイメージを持ってオーディションであゆみを演じたので、決まった時は本当に嬉しかったです。
矢野:どの作品でも、第1話のアフレコって絶対に緊張するものなんですよ。みんなオーディションに受かってアフレコに参加しているけれど、それぞれどんなお芝居をするのかは把握できていないし、どんな化学反応が起こるかはやってみないとわからない。その中での第一声っていうのは、お芝居の方向性が決まるとても大事なもの。しかし、市ノ瀬さんの演じる羽花ちゃんが本当にイメージ通りだったから、「僕はこんな感じで行こう」とすぐに方向性を決められました。
根本:私も、加那ちゃんの羽花ちゃんのお芝居を受けて、あゆみを演じる上で「寄り添うことを大事にしよう」と決めました。
市ノ瀬:うわ~、ありがたいお言葉です。でも、その寄り添い方が私の思い描く“あゆみ像”にピッタリだったから、私も「京里ちゃんがあゆみ役で良かった」と思いました。思ったことをストレートに言葉にするあゆみに、京里ちゃんの声質とお芝居がバッチリハマっていました。
矢野:根本さんご本人もあゆみっぽいよね。アフレコ現場でもすごく盛り上げてくれています。
根本:そんなことないですよ! でも、それでいうと、矢野さんは界と真逆だからこそ「役者だな~」と感じます。アフレコが始まる前は要素を感じさせないのに、始まると、そこに界がいるんですよ。一番好きなキャラクターが羽花ちゃんだそうで、そこが界との共通点なのかな(笑)?
矢野:そうなんです。僕が高校生で同じクラスに羽花ちゃんがいたら、絶対好きになっていました(笑)。
(左から)根本京里、市ノ瀬加那、矢野奨吾
――一番掛け合う機会が多い市ノ瀬さんは、矢野さんの演じる界にどのような印象を持ちましたか?
市ノ瀬:界は、羽花ちゃんをあえて突き放すような言い方をするんです。でも、そこにはしっかり愛情も含まれていて……そういったセリフの言い回しってとても難しいんですよ。矢野さんは、冷たい中にも羽花ちゃんを思っているとわかるお芝居をしていて、いつも「どうやってそんな表現ができるんだろう」と思いながら掛け合いさせてもらっています。
矢野:最初は、音響監督から「それは寄り添い過ぎている」とディレクションをもらうこともありました。今も、その塩梅を気にしながら演じています。
――本作は、誰もが経験したことのある高校生活を描いた物語。原作の印象で「懐かしい」というコメントもありましたが、役との共通点、または「こんなことあったな~」と共通する経験があれば聞かせてください。
根本:先ほど矢野さんから「あゆみと似ている」と言われましたが、自分では共通点はあまりないと思っています。ですが、高校入学時にたまたま近くにいて話しかけた子が、初対面の人と話すのが苦手だったみたいで、卒業式に「あの時話しかけてくれて、本当に嬉しかった。ありがとう」と言ってくれました。あゆみを演じて、その時のことを思い出しましたね。
根本京里
市ノ瀬:私は羽花ちゃんに共通点を感じることが多いです。私も人見知りで、人と接する時にどこまで踏み込んで良いのか距離感に悩むことがあって、共感しながらお芝居しています。ただ、羽花ちゃんはそんな自分を変えようと成長していくキャラクター。私はそんな行動力はないので(笑)、そこは見習わなければいけないという気持ちになりました。
市ノ瀬加那
矢野:僕は、先ほど根本さんがおっしゃった通り、界とは真逆。界のようにかっこよくて、少しミステリアスなところもある男の子になりたかったですね。自分と重ねられるところが唯一あるとしたら、決めたことは曲げない、ブレないところは共通していると思います。……なんかこれ、自分で言うと恥ずかしいですね(笑)。
根本:(笑)。
矢野:あと、僕って優しいんですよ。
市ノ瀬:!? その発言は恥ずかしくないんですか(笑)?
矢野:(笑)。羽花ちゃんみたいな子がいたら、きっと手を差し伸べちゃうんです。界は、手の差し伸べ方が一見突き放しているように見えますよね。でも、その手にはちゃんと優しさもあって、「優しい」という共通点はあるものの、僕と界とでは形が違うなと思います。
矢野奨吾