松下洸平×松下優也、主戦場定めない2人がつかみたい“夢”とは? 「苦しみを味わえるのが幸せ」
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――お2人はいわゆる「ミュージカル俳優」ではなく、映像やアーティスト活動など幅広く活躍しています。そんな2人で名作を世界で初めてミュージカル化する本作。稽古前には「ワクワク!」と話していましたが、稽古が始まってその心境には変化がありましたか?
洸平:振り付けや演出、ステージングは、ブロードウェイで活躍されているスタッフの方々が作ってくださっているので、まず面白いのは間違いないんですよ。その時点で見に来てくれる方々にミュージカルだからできる壮大なものはお届けできると確信していて。そこからさらに細かいところは、ミュージカルだからというところにあまりこだわらずに、単純に演劇で勝負できるものだと思っています。時々2人だけのシーンがあるんですが「これほんとにミュージカルだっけ?」っていうぐらいずっと喋ってるんですよ。歌えばいいのに(笑)。
優也:めっちゃ会話。この会話こそ歌にせえへんの?って(笑)。
洸平:そうそう、本当にそういうのが面白くて。そこで見せられるものもあるっていうのは、やっぱりこの作品の面白いところだし、我々に課されている部分ではあると思う。ミュージカルとしての素晴らしさと、演劇としての素晴らしさ、エンターテイメントショーとしての素晴らしさ、3つが入っている。あとはもう僕たちがそれをどれだけ1個1個大きくしていけるかが、本当にこの作品が成功する鍵なんじゃないかな。
優也:今洸平くんが言ってくれたように、ストレートプレイかなと思うぐらい会話劇みたいなところと、ショーとしてショーアップされた部分っていうのが両方混在していて、それって結構珍しいんじゃないかな。自分はアーティストとして音楽活動もしてきて、役者としてはここ数年、あんまりフィールドを限定して活動してきてなかったんです。いろいろ繋がってきて、今の自分があるって感じ。洸平くんも同じで、2足、3足のわらじみたいな活動をしてきたからこそ、よりこのミュージカルで幅を見せられるんじゃないかなっていうのは思いますね。
(取材・文:小島萌寧 写真:上野留加)
(左から)松下洸平、松下優也
ミュージカル『ケイン&アベル』は、東京・東急シアターオーブにて1月22日~2月16日、大阪・新歌舞伎座にて2月23日~3月2日上演。