銀杏BOYZ・峯田和伸、活弁士役を熱演! “感じながら観る”映画館の楽しさも語る
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峯田和伸 クランクイン! 写真:高野広美
――峯田さん自身、本作で描かれる「吉祥寺バウスシアター」に足を運ばれていたとうかがいましたが、吉祥寺バウスシアターにどんな思い出がありますか?
峯田:バウスシアターがあった頃、吉祥寺に当時付き合ってた彼女がいて、バンドのメンバーも住んでいて、よく行ってたんです。吉祥寺で会うとみんな映画が好きなんで、大体、映画に行こうってなるんですよね。彼女と一緒に映画を観たのは、もう20年前ですけど覚えています。この映画観たな、彼女とこんなこと言ったな、自分が出演した映画を上映させてもらった時もお客さんとして観に行ったな…とか。
峯田和伸 クランクイン! 写真:高野広美
――本作は“映画館”にまつわる物語が描かれた作品ですが、峯田さんが思う“映画館”に行く楽しさとは?
峯田:作品を観るだけだったら別に家でテレビやスマホとかでも観られるけど、映画館で作品を観ることに何を求めてるかというと、やっぱり作品の内容だけじゃないんですよね。真っ暗になる空間に2時間ぐらい閉じ込められて、その空間で携帯の電源も切らなくちゃいけないという閉ざされた中で作品と向き合わざるを得なくて、しかも名前も顔も知らない人たちと同時にその空間を共有する。「このシーンで笑い声が起きるんだ」「ここで泣いたりするのか」「この人も泣いてるな」とか…そういうことを感じながら見るというのは、体験としても面白いと思うんですよね。家で誰の干渉も受けずにただ一人でのんびり映画を見るのも映画体験だと思いますけど、映画館ならではの体験というのは、やっぱり自分は一人ではないってことなんじゃないかな。いろいろ人がいて、同じ映画を見ても感想も観るポイントも違うということを感じながら観ることが、僕はすごく好きなんですよね。映画館に閉じ込められた後に日常に放り出されて、そこでちょっと違う自分になれたような錯覚というか、その感じも好きですね。
――この映画も、映画館で皆さんにぜひ体験していただきたいですね。
峯田:映画館が主人公であるこの作品を映画館で観ることが面白いと思うので、ぜひ足を運んでいただきたいですね。そうすると錯覚してくると思うんです。映画を観ている自分を誰かが観ているような感覚になるというか…。映画館で自分が映ってる感覚になるような、記録映画でもありながらファンタジーな映画だと思うので、映画館に足を運んで観に来てくださったらうれしいです。
――今回の作品が峯田さんの今後の音楽活動にもいい刺激となって、映画でも印象的だった「あした」という言葉にもつながる気がします。これからの活動での峯田さんの展望は?
峯田:いい曲を作って、いいライブをやるってだけです。それしかない。それは18歳の頃から変わってない。それが僕の「あした」かもしれないですね。
(取材・文:齊藤恵 写真:高野広美)
映画『BAUS 映画から船出した映画館』は、3月21日公開。
映画『BAUS 映画から船出した映画館』本ビジュアル (C)本田プロモーションBAUS/boid