安達祐実×相武紗季×磯山さやか、夫への“小さなうっぷん”に共感 夫婦の愛憎ドラマに「すっきり」
関連 :
安達祐実
――それぞれのキャラクターについて教えてください。自身との共感ポイントも。
磯山:友里香は不思議な感じです。一見、いそうな感じなんですけど、演じている私も考えていることがよく分からなくなるくらい不思議なキャラクターを目指しています。なんでこの人は麻矢や璃子と仲良しなんだろうと、正直思うんですけど(笑)、昔を振り返ると「そうなんだ」と思う場面も出てくるので、ギャップが面白く生まれるように演じたいと思っています。友里香は子どものいる専業主婦で、その部分は私はまだ経験したことがないところですが、強く言われると何も言えなくなるとか、この場が収まるなら、自分を出さずに相手に合わせようとするところなんかは共感できます。
安達:私は3人の中で一番ノーマルなキャラクターだと思います。旦那さんたち(竹財輝之助/甲本光博役、高橋光臣/加賀美弘毅役、塚本高史/榊哲也役)も癖が強いので、普通の人が1人いてくれてよかったみたいな(笑)。ただ麻矢も仕事のキャリアとか、妻としてとか、いろいろ悩みながら生きています。結婚しているけれど、子どもはいなくて、でもたぶん夫は子どもを望んでいた。その行き違いが尾を引いていくことになるのですが、麻矢がいつ爆発するのかというところを面白がりながら見てもらえたら楽しいかなと思います。私も実際に結婚の経験もあるし、女性が子育てをしながら働くことの難しさに直面する機会もたくさんあるので、そこの気持ちはすごく分かります。
相武:璃子はちょっと男っぽかったり勝気だったり、今どきというか、強い女性に見えるんですけど、家庭がちょっとね、コメディというか。あんなにコメディだとは思っていませんでした。クランクインして間もないのですが、気を付けないと私のファミリーだけかなりコメディになってしまうなと(苦笑)。感情の起伏とかをより繊細に演じないといけないと思っています。コメディなんですけど、それが逆に怖かったり、リアルにありそうだと思えるようなお芝居に繋がればと思っています。璃子への共感は……、ほぼありません(笑)。
相武紗季
――少しだけ脚本を読ませていただきました、コメディに感じる要素はなかった気がしましたが…。
安達:読んだだけではあの感じは分からないかもしれません。
相武:私も分からなかったですよ(苦笑)。本読みしたら見方が変わっちゃって、面白いしかないです。
安達:息遣いだけであんなに。
相武:璃子の旦那さんを演じる高橋さんの演技力がすごすぎるんです。これ成り立つのかなって思っていたんですけど、高橋さんがやると面白くて。普通は夫が束縛しているような力関係のときって奥さんが臆病になりそうなのに、加賀美家の場合は、璃子は内心はビクビクしてるのに、「はあ?」とかって強そうなんです。それで周りには実情が全然分からない。すべては高橋さんのおかげです。
磯山:なんか優しいから羨ましくなっちゃいますもん。まあ、結局、他人の家だから(笑)。
安達:最初はちょっと気持ち悪いかもと思うのに、途中から「頑張れ」って応援したくなっちゃうもんね。よくも悪くもとびきり愛されてるから。
磯山さやか
――麻矢と友里香の旦那さんはいかがですか? 演じた竹財さん、塚本さんの印象も含めて。
安達:脚本の段階では、「悪いのは夫だから」みたいな感じに読めなくもなかったんです。だけど、実際に顔を合わせてみると、「自分にも悪いところがあったんじゃないかな」と思っちゃうんですよ。竹財さんが浮き草みたいな雰囲気っていうか。すこし浮いてるんじゃないかなっていう感じで(笑)。ふわっとしていて、いたいけな小動物みたいなんです。だから怒り切れないというか、憎み切れないというか。感情が一層複雑になる感じがして、とても助かっています。
磯山:うちの夫は、ほんっと嫌なヤツです。
安達:あはは!
相武:うん、言っていいと思う。
磯山:演じていて本当にフツフツと怒りが湧いてくるので、ありがたいです。塚本さんは本当に圧がすごい。言葉の圧、強みがすごいんです。声のボリュームとかトーンとか含めて。リアルに驚いちゃって、こちらの行動や言葉が止まってしまうくらいです。空気をスンっとさせるので、さすがだなと思っています。でも、そこもギャップがある感じのストーリー展開になっていくんです。
相武:あれってどっちが本当の性格なんですかね。
安達:もともとはあのギャップのあるほうだったんじゃない?
磯山:え、私がモラハラ夫にさせたの?
安達:(笑)。その可能性はあるよ。
相武:ダメ男製造機みたいな。
磯山:私が?(笑)