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『ヴィジランテ』梅田修一朗×長谷川育美×間宮康弘 もうひとつの“ヒロアカ”が映す、戦いと絆のドラマ

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梅田修一朗

長谷川育美

間宮康弘

■“非合法ヒーロー”の視点から見る世界

――『ヒロアカ』本編と『ヴィジランテ』を比較したとき、それぞれの違いや魅力をどのように感じますか?

梅田:『ヒロアカ』のヒーローたちは、光の当たる舞台で活躍する公に認められた存在ですが、『ヴィジランテ』はその影に生きる“非合法ヒーロー”たちの物語です。正規の免許を持たず、個性を自由に使えない者たちが、それでも自分なりの正義を貫く姿が描かれているのが特徴ですね。

航一も、一度はヒーローになる夢を諦めたキャラクターだからこそ、彼の視点から描かれる物語は新鮮で、本編とは違う角度から“ヒーロー”という存在を考えさせられる作品になっていると思います。

長谷川:仲間同士の空気感も違ったものがありますよね。本編は、ヒーローを目指す少年少女たちが切磋琢磨しながら成長していく物語ですが、航一、ポップ、ナックルの3人は、明確な共通の目的があるわけではなく、それぞれの事情を抱えながら、気づけば共に行動するようになっている。

最初から息の合ったチームではなく、ぶつかり合いながらも、次第にお互いを理解していく。その凸凹な関係性こそが、この作品ならではの魅力になっていると思います。

間宮:それに、この3人の個性って、あまり戦闘向きではないんですよね。ナックルは武闘派ですが、航一は「滑走」、ポップは「跳躍」。それでも、彼らなりの手段でヴィランに立ち向かうというのが、本作ならではの面白さになっていると思います。

加えて、彼らの立ち位置も、本編のヒーローたちとはまったく違う。オールマイトがスーパーマンのような、誰もが憧れる象徴的な存在であるのに対し、ナックルはバットマンのように、影の世界で戦う存在。航一もマスクをつけ、ポップも黒い衣装で活動しているように、彼らの戦い方そのものが、本編と一線を画しているんですよね。

あと、『ヒロアカ』の世界では、ヒーローは“助けを求められる存在”ですが、『ヴィジランテ』では逆に「やばい、来た!逃げろ!」という展開になることもある(笑)。ヒーローが必ずしも味方ではない、そういう視点の違いが、この作品の面白さを生み出しているんじゃないかなと感じます。

テレビアニメ『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』キービジュアル(C)古橋秀之・別天荒人・堀越耕平/集英社・ヴィジランテ製作委員会
――『ヒロアカ』本編のファンの方にも注目してほしいポイントですね。最後に、航一、ポップ、ナックルの関係性について感じたことを教えてください。

長谷川:本当に家族みたいな関係性だと思います。

間宮:たしかに。ナックルは年齢的にも上なので、自然と父親的なポジションになっていて。

長谷川:普通、大人の男性にあれだけズバズバ文句を言うことってないと思うんです。でも、ポップはナックルに本気で怒ったり、遠慮なく突っ込んだりする。それって、もうほぼ家族みたいな関係性だからこそ成り立つものだなと。

間宮:「パンツでうろつかないで!」ってね(笑)。

長谷川:そうそう(笑)。あの感じがまさに家族ですよね。本当に他人だったら、あんなふうに言えないし、そもそもあそこまで干渉しない。でも、ポップはナックルに対して、それができる関係性になっている。そこがすごく面白いなと思いました。

梅田:本当にそうですね。間宮さんが前に「原作ファンの方にとっても、この3人の関係性はすごく愛おしいはず」とおっしゃっていましたが、僕もそれをすごく実感します。物語を最後まで読んでしまっているので、余計にこの関係性の尊さを感じるというか。

航一が洗濯物を干しながら「これはこれで」ってつぶやくシーンがあるんですけど、あれがすごく航一らしいなって。まさかこんな生活になるなんて思ってなかったけど、でも「悪くないかも」とどこかで受け入れている。少しずつ互いを認め合い、居場所として感じ始めている。この関係性の積み重ねが、本作の魅力のひとつになっていると思います。

(左から)長谷川育美、梅田修一朗、間宮康弘
(取材・文・写真:吉野庫之介)

 テレビアニメ『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』は、4月7日よりTOKYO MX・BS日テレにて毎週月曜23時、読売テレビにて毎週月曜23時59分放送。

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