シソンヌじろうに大人計画ベテラン・池津祥子&伊勢志摩メロメロ「かっこいい~」 コントと芝居の“境界線”とは
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――コントをやりながら、ドラマや舞台で俳優としても活躍するじろうさん。コントとコメディの明確な違いや共通点は感じられますか?
じろう:お笑いの土俵でのコントに関して言えば、分かりやすく設定があって、それをまずお客さんに分からせてから、そこから想像できる面白いものをボケていく。ドラマだとストーリーがまずあって、そこに人間性の面白さだったり、設定と関係ない会話としての面白さだったりがありますね。
――演じていて、別物という感覚なんでしょうか?
じろう:でも、僕は割とお話っぽいコントを作ることが多いので、多分他の芸人よりはあんまりそこに違いを感じていない方だと思います。
――大人計画の皆さんは逆に、「コントっぽいお芝居」にも出演されてきました。コントに対してはどんなイメージがありますか?
池津:差はないような気もするんですけど、ひとつ違うとしたら、ツッコミが入ることですね。コントの方が割と細かくツッコミがちゃんと入るけど、お芝居だとツッコミが何もないまんまっていうぐらいかな。ただ、ここ笑わせたいってところは意識します。台本を読んだ時に自分が笑ったところは絶対笑いを取りたいと思うから、そこに向けては頑張ります。
池津祥子
伊勢:大人計画ではかなりコントに近いことをやっていて。いわゆる「演劇」みたいな話だと、セリフの意味をものすごく自分の中で解釈したりするらしいんですよ。やったことないんですけど(笑)。だからそういう違いなのかな。
池津:この前のお芝居ではやったんでしょ?(笑)
伊勢:この間、青年座さんのお芝居に出たんですけど、稽古すればするほど、セリフがゆっくりになるんですよ。びっくりしちゃって。それで面白いんです。私はこのセリフはリズムで面白いと思ってたけど、こんなに噛み砕いて言うとまた違う面白さがあるんだな、それが演劇なんだって思ったりして。コントと演劇の違いってそういうことなのかなって、ちょっと考えてしまいました。
伊勢志摩
――今回、芸人さんであるじろうさんと共演することとなりますが、別ジャンルの方との舞台でのやりとりに期待することはありますか?
池津:私は何度か芸人さんとご一緒したことあるんですが、それぞれ違っていたので、じろうさんがどういう稽古をされるかすごく楽しみです。昔、コントっぽいお芝居でバナナマンさんと共演したことがあって。役者たちが全力で稽古しているのを見て、「えっ、稽古中からそんな本気でやるんですか?」って驚かれたんです(笑)。多分新鮮さを保つために稽古は軽い打ち合わせ程度で、本番で全力でやるってことなんだろうなと思って、作り方が全然違うんだと知って。それは面白い経験でした。
伊勢:シソンヌさんのネタを見ると、軽いノリで稽古してっていう感じでは絶対にないと思ってるんです。(演劇と)非常に近いやり方をしてるのではと。うちはコント的なお芝居をやっていて、じろうさんはお芝居的なコントをやってらっしゃるから、ものすごく親和性はあるんじゃないかなと思っています。
池津:でもあの感じ、回数はやってないんじゃないかな?
じろう:稽古は、1ヵ月ぐらい稽古場を取ってしてます。
池津:台本は決まっているけど、掛け合いはラフな感じが残っているじゃないですか。その新鮮さを残すために何度もやってないような気がしたんですけど。
じろう:稽古期間は押さえているんですけど、そんなにやらないですね。やっぱ飽きちゃうんで、2人とも。長谷川さんは“ツッコミたい病”なんで、下地をしっかり作ったら、もう何言っても返してくる。だから本番で、思いついたこと適当に言っちゃう(笑)。
伊勢:あ、そうなんですか!?
池津:かっこいい~。