ラミ・マレックは「人としても俳優としても寛容な人」 長年付き合いあるレイチェル・ブロズナハンがべた褒め
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ラミ:いい質問ですね、自分について話さなきゃいけないので…(笑)。チャーリーは、常に何かをはぐらかしたり、避けようとしたりしているところがありますが、そこは僕自身とも重なって見えるんです。でも僕は似ているところもあるけれど、周囲の世界や人間に対して、それなりにきちんと目を向けている方だと思いたいです。僕は若い頃から深い会話を交わさなくても相手の感情を吸収して分かってしまうところがあります。一緒にいるだけで、なんとなく理解できたような気がすることがあって…もちろん100%間違っている時もあるんですけど。
レイチェル:ラミは本当に多層的で複雑な人だと思います。わたしも彼のすべてを知っているわけではないですが、すごく情熱と好奇心にあふれていて、それはチャーリーというキャラクターにも深く根付いていると思います。ラミは自分では絶対に認めないとは思うんですけど、人としても俳優としても、すごく心が広い、寛容な人なんです。自分が信じることや愛する人のためであれば、地の果てまででも追いかけるような人だと自然と想像できます。その情熱は、チャーリーというキャラクターの核にも、すごく強く表れていると感じます。
ラミ:きっとそれがキャラクターたちを魅力的にしている理由なんですよね。わたしはレイチェルとサラの関係にも同じように感じています。その思いはお互いさまなんです。
――ラミが演じたチャーリーは戦闘能力もなければ殺しの経験もない役でした。その“アマチュア”っぽさは演じる上で強く意識したのでしょうか?
ラミ:自分たちにとって“アマチュア”は、僕たちの“北極星”つまり道しるべになる大切な言葉でした。その軸をブレさせないのが、チャーリーのために必要だったんです。チャーリーは常に“その場で学びながら”動いています。そこにはある種の独創的なひらめきがあって、それは彼が状況に追い込まれて初めて引き出されたものでもあるし、実はもともと備わっていた才能かもしれない。わたしたち一般人では到底できないことをこなす一方で、プロのスパイだったらできることをできないチャーリーの姿も映される。そこがこのキャラクターを面白くしているポイントだと思います。観客がチャーリーに共感しながら、段々といろんなことができるようになる彼を応援していく。しかもその過程が、彼自身にとっても観客にとっても同じくらい“衝撃的”であるというのが、映画としてとても面白いんです。
終盤では彼がメガネをかけるようなシーンもありましたが、以前自分が演じたキャラクターと似てしまうので、使い方には気を付けなければいけませんでした(笑)。今回はチャーリーのアイデンティーを失わずに成長させていくことが演じる上でとても大切でしたね。
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――レイチェルさんは今年『スーパーマン』の公開も控えていますね。今回の『アマチュア』の経験は次の作品にも生きましたか?
レイチェル:『アマチュア』の撮影が終わったのが、『スーパーマン』の撮影が始まる数ヵ月前で、まるで次のプロジェクトへ向かうための“追い風”のように、最初から最後まで本当に素晴らしい経験でした。本作のジェームズ(・ホーズ)もDCユニバースの一員で、グリーン・ランタンのドラマ『ランタン(原題)』(2026年に米配信)のパイロット版の監督をしています。だから、ある意味では、ジェームズも一緒に次の世界へ連れて行けた感じがします。
(取材・文・写真:阿部桜子)
映画 『アマチュア』は全国劇場公開中。