北川景子「自分にとって新しい挑戦」 主演作『あなたを奪ったその日から』で“心が動くこと”をテーマに体当たりの演技!

北川景子が主演を務めるドラマ『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜22時)。アレルギーによるアナフィラキシーショックを引き起こした食品事故で子どもを失った母親・中越紘海(ひろみ/北川)。彼女は、事故を起こした惣菜店の社長・結城旭(大森南朋)を恨むなか、図らずも旭の次女・萌子(倉田瑛茉)を誘拐してしまい…そんなショッキングな展開で幕を開けた本作。自分の犯した罪に苦しみ、葛藤し、周囲を巻き込みながらも強く生きていく主人公・紘海役に“体当たり”で挑んでいるという北川が、本作への思い、そして見どころを語ってくれた。
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■子どもを持った今だからこそできる表現があるんじゃないかと思った
本作は、発端となった食品事故から現在に至るまでの11年間の、復讐と親子愛を描いた壮大なストーリー。主人公の紘海について「実の娘を失ってしまったことから、その悲しみが元で突拍子もない行動を取っていく」と語る北川。第1話では、家族で笑いあう描写から一転、娘を失くした悲しみ、惣菜店の社長だった旭への憎しみ…と、紘海のさまざまな表情が視聴者の目に焼きついた。
――本作のオファーを受け、主演を務めることについてどう感じられましたか?
北川:いつも仕事をする時の私のモットーとして、体が空いていてやりたいと思ったものは絶対やるようにしているんです。今回、カンテレさん制作の“月曜22時”枠で初めて連続ドラマの主演をさせていただけるということだけでなく、私自身、2人目の子どもが生まれる前でしたが、それでも主演をさせていただけるということがうれしかったです。子どもを持った今だからこそできる表現があるんじゃないかとも思って、もう「やりたい!」という気持ちでした。
――撮影前に台本がすべてそろっていたとうかがいましたが、台本を読まれた感想を教えてください。
北川:台本を読んでみて、すごく面白かったです。子どもがアレルギーでアナフィラキシーを起こすことは、ありえないような話じゃないと思うので、台本を読み進めていくなかで、自分のことのように引き込まれていきました。
――さまざまな感情を表現する紘海を演じるにあたって、心掛けていることはありますか?
北川:体当たりみたいな感じです(笑)。台本も読み込みますし、もちろんセリフを覚えて現場に向かうんですけど、でもやっぱり共演者の皆さんの前で芝居をしてみると、自分が全く想像していない芝居が生まれることがたくさんあるんです。今回はやっぱり身を削って体当たりで演じることがすごく合っている作品だと思うので、考えすぎずに自分でも「どうなるのかな?」と楽しみながら、感じたまま演じています。私自身、演じている方の感情が動かないと、視聴者の方々の感情も動かないと思っているので、そうした気持ちがこもった心が動く芝居をしたい!というのが、今回、自分の中のテーマとしてあります。旭(大森)とのシーンは、まさに“体当たり”でした。大森さんと特に打ち合わせをしたりはしないんですけど、芝居でボーンとぶつかったら大森さんがちゃんと受け止めてくれて、それに対してバーンって私に返ってくる時もあります。そうするとまた私も「自分ってこうなるんだ」という全く想像もしてなかったような感情が出てくることがあるんです。台本を読んでるだけではわからなかったことも、芝居でぶつかると「こうなるんだ」とわかることが多いです。
ドラマ『あなたを奪ったその日から』第1話より (C)カンテレ
――そうした体当たりの演技をする本作は、ご自身のなかでもチャレンジングなことですか?
北川:そうですね。連続ドラマでこうした作品性のものをやったことがなかったので、3ヵ月半くらいの撮影期間があるなかで、ずっと集中力を切らさずに現場に来て本番でグッと役に入りこむことを継続するのは、自分にとって新しい挑戦です。
――映像では紘海の感情のこもったさまざまな表情が見られて、見ているほうも心を揺さぶられます。北川さんが映像を見た時はどう感じましたか?
北川:私は普段、現場のモニターを見ないタイプなので、完成した映像を見て「こんなふうに映ってるんだ」と初めて知ったんです。ライティングのトーンやカメラが揺れ動き続けている撮影の技法とか…全てが紘海の心情に寄り添う形で計算されて撮影されているということがすごく分かって、改めてスタッフの皆さんの技術ってすごいなと思いましたし、「こんなふうに芝居をちゃんと見て皆さん撮ってくださってたんだ」と思って、すごくうれしく思いました。
――紘海を演じてみて、北川さん自身、共感させられたり、考えさせられたりした部分はありますか?
北川:灯(石原朱馬)という自分の実の娘を失った時の悲しさや相手を恨んでしまう気持ち、自分を責める気持ちとか…そういうものはすごく共感ができるんですけど、その後、こういう形で復讐を実行するかというところは、何度も考えたけど、もしかしたら自分はそこまでの行動は起こせないかな…う~ん、でもやっぱりわからないなと思いました。
北川景子 クランクイン! 写真:高野広美