咲妃みゆ、宝塚退団から8年 人気演出家からのオファー続く「面白い俳優だなと思ってもらえる俳優人生を歩みたい」
元宝塚歌劇団雪組トップ娘役で、退団後は、ミュージカル、ストレートプレイとさまざまな作品で名だたる演出家からオファーがやまない咲妃みゆ。2026年は松尾スズキ作・演出のCOCOON PRODUCTION 2026『クワイエットルームにようこそ The Musical』の主演で幕を開ける。初舞台から15年を迎えた咲妃に、松尾ワールドの魅力や、これまで、そしてこれからの咲妃みゆについて話を聞いた。
【写真】咲妃みゆ、透明感あふれる可憐さ! インタビュー撮りおろしショット
◆念願叶い初挑戦!“松尾スズキワールド”の魅力を熱弁
『クワイエットルームにようこそ』は、「大人計画」の主宰であり、作家・演出家・俳優としてマルチに活躍する松尾スズキによる小説。精神科病院の閉鎖病棟を舞台に、精神的な問題を抱える人々の絶望から再生までの日々をリアルに描き、第134回芥川賞にノミネートされるなど高い評価を受けたほか、2007年には、松尾が自ら脚本・監督を務めて映画化し、大きな注目を集めた。「いつかミュージカルに!」という思いを胸に、松尾が長い期間構想を温めてきた作品がついにお目見えする。
松尾作品への出演を熱望してきた咲妃が主人公の明日香を演じるほか、松下優也、昆夏美、桜井玲香、笠松はる、りょう、秋山菜津子。さらに「大人計画」からは皆川猿時、池津祥子、宍戸美和公、近藤公園と、個性派キャストが集結することも話題を集めている。
――念願の松尾作品出演となります。台本を読まれてみての感想はいかがですか?
咲妃:映画版とは違う構成になると伺っていたので、どんな台本が出来上がるのか楽しみにしていたのですが、原作をしっかりと活かしつつ、ミュージカルならではの構成になっていて見ごたえもあり、お客様に楽しんでいただける舞台になるだろうなと感じました。
――特にどんなところが見どころですか?
咲妃:病棟と明日香の家を行き来したり、妄想の世界に飛んでいったりとシーンが目まぐるしく変化するのですが、それが隙間なく続くんです。スピーディな展開を楽しんでいただけると思います。
ミュージカルということで楽曲も盛りだくさんです。歌詞を読ませていただくと、「おもしろ~い!」って(笑)。私が近年携わらせていただいたミュージカルの歌詞とはまた違う言葉遊びがふんだんに盛り込まれているので、音楽との融合でさらに面白くなるんじゃないかなと感じました。
また、松尾さんの愛情がたっぷり注がれた登場人物の群像劇のようにも感じていて、誰が主役というよりは、登場する1人1人が物語の中で色鮮やかに個人の輝きを放てる物語になっています。その中で私も明日香としての輝きを放てるように頑張らないと!と思う次第です(笑)。

――松尾作品の魅力はどんなところにあると感じていますか?
咲妃:松尾さんのどの舞台にも共通する部分だと思うのですが、今回の作品も「そんなに細やかな人間模様まで描けてしまうんだ!」と思わせてくれる松尾さんの発想力がとっても魅力的だなと。このセリフを自分が発することができる喜びもありますし、共演させていただくキャストさんが発した時にどういう化学反応が起きるんだろうと想像するとすごく楽しみです。
人それぞれいろいろな生き方がありますが、日常の思いもよらないところにまで手を伸ばしてくださるような台本に私はゾクゾクしました。誰も置いてきぼりにしないのが松尾さんの作品で、私が魅了され続けるポイントの1つなので、今回も皆さんそれぞれの観点でこの作品を楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。

