北川景子「自分にとって新しい挑戦」 主演作『あなたを奪ったその日から』で“心が動くこと”をテーマに体当たりの演技!
北川景子 クランクイン! 写真:高野広美
――第2話は自分の子どもを亡くして悲しみを抱えた紘海が、萌子の母にもなる覚悟を決めた衝撃回でした。
北川:紘海が萌子(倉田瑛茉)を育てることにしたのは、灯の代わり、灯を失った悲しみの穴埋めということでは決してなくて…。灯を失ったことがきっかけで、お互い仲は悪くなかったけれど夫とも離婚してしまってこの世でたった一人になってしまった紘海にとって、きっかけは誘拐だったけれど、あの時に無垢に寄り添ってくれる存在であった萌子がいなければ、紘海は生きることができなかったんだろうなと思います。私自身、今回この作品を通して、家庭で一緒に生活してくれている子どもたちや夫とか、仕事の現場でずっと一緒にいてくれる事務所の方々とか…何をしてくれるということじゃなくても、一緒に生きてくれている人たちに対する感謝が私の中で強く芽生えたんです。そうした感謝の想いがあるからこそ、紘海の心情には共感できるというか…紘海はあの時、一緒に生きてくれている萌子を手放すわけにはいかなかったんだろうなと解釈をして演じていました。
――第2話以降のストーリーで、紘海と旭側の登場人物たちが接点を持つのか、特に旭の家族ではない玖村(阿部亮平/Snow Man)が紘海とどう接点を持つのか、気になります。
北川:玖村は平祐奈さん演じる旭の娘・梨々子の家庭教師だったということだけじゃなくて、今後、物語の本筋にすごく関わってきますし、紘海の精神的な拠り所…みたいになるんです。物語の中でもキーマンですね。玖村は登場人物のなかでも一番フェアな立ち位置というか…旭側でもなく、紘海側でもなく、本当にフラットに自分の仕事に向き合っている中で、ひょんなことで目に、耳にしてしまったことが、紘海にとって重要な情報だったりして、紘海の拠り所になっていく感じなんです。どっち側の人間でもなく、ただ事実を見て知っているからこそ、玖村は今後のキーマンじゃないかなと思います。
ドラマ『あなたを奪ったその日から』第1話より (C)カンテレ
――北川さんと阿部さんの共演シーンは、物語のなかでも“ほっこり”パートだとうかがいました。
北川:そうなんです。一緒に何か食べたり飲んだり、ちょっと立ち話したりするシーンが今後出てくるんです。2人で話している内容がライトではないんですけど(笑)。それと、阿部くんの存在も私としてはありがたかったというか…真面目で明るくて、私と年が近いわけじゃないけど若すぎるわけでもなく経験も積んでいる方なので、撮影の合間にいろいろな話をしました。「阿部くん、どういう時に勉強してるの?」と聞いてみたり…。そういえば「騒がしい喫茶店で勉強するのが、一番集中できる」と言っていましたね。静かな場所で勉強できるのは当たり前で、喫茶店とか、コーヒーショップのテーブルが置いてあるスペースとか、そういう場所で勉強するのが一番集中できるんだそう。「阿部くんが行って大丈夫?(騒がれない?)」と思いましたけど、そういうことをしているというお話を聞いたりしました。阿部くんといろいろと話して、すごく息抜きになりました。
――改めて、北川さんが思う本作の見どころは?
北川:結構重いドラマなのかなと思う方も多いかもしれないんですけれども、親子愛や職場での上司と部下との信頼関係や絆など、いろいろな人間関係が描かれているヒューマンドラマだなと思っているので、見ていただければここにいる誰かのキャラクターに共感できるような物語になっているんじゃないかなと思っています。そして、私がこの作品でずっと感じているのは、人間ってどこかで何か間違ってしまったり、何か過ちを犯してしまったりすることって経験があると思うんですけど、そうなってしまったときに人がどうやって再起をかけて立ち上がっていくかということや、誰かが何か誤ってしまったときに、それをどんなふうに許せるのかということが大事なんじゃないかなということ。そうした“生き方のヒント”というと大げさかもしれませんが、そういうものが散りばめられているドラマになっていると思いますので、ぜひ、皆さんに見ていただきたいです。
(取材・文:齊藤恵 写真:高野広美)
ドラマ『あなたを奪ったその日から』は、カンテレ・フジテレビ系にて毎週月曜22時放送。
北川景子 クランクイン! 写真:高野広美