ソン・スンホン、欲望に満ちた役どころで新境地「ある意味とても人間くさいキャラクター」
ソンジンは、野心とコンプレックスとここまで自力で成り上がったという自尊心を抱えたキャラクターだ。「成功したいという欲求が強い人ですよね。彼は水面を優雅に泳いでいる白鳥のようなんです。一見悠然と泳いでいるように見えて、実際は水中で足を激しくジタバタさせている。背負っているものが重すぎて、自分に合わない王冠をかぶっているような、ふさわしくない洋服を着ているような人物だと捉えました。本人もそう感じていながらも簡単には捨てることができない状況にいて。ストレスを感じて大きなコンプレックスを抱えている彼を、大変だろうなと思って見ていました」との答えが。「人間って自分にふさわしくない服を着て生きていくこと、重い荷物を持って生きていくこと、華やかな指揮者として生きていくこと、それははたして幸せな人生なのかなと思いながら撮影に臨んでいました」と振り返った。
改めてどんでん返しの連続に息を呑む本作の見どころを尋ねると、「3人の関係性に注目していただきたいです。人間というのは欲望を持っているものですが、観ている方ご自身がどんな欲望を持っているのか考えながら見ていただくといいかと思います。どんでん返しもあり、ショッキングな展開もあり、3人のそれぞれの欲望が出てくるのでご自身がどの人物に近いのか感じながら見ていただけると、より楽しんでいただけると思います」と教えてくれた。さらに「とても素敵な音楽が全編を彩りますし映像美も素晴らしいので、ぜひ劇場でご覧いただけると、感動が2倍以上、10倍に感じていただけると思います!」とお茶目な笑顔で付け加えた。(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)
映画『秘顔‐ひがん‐』は、全国公開中。