菅野美穂も「すばらしい!」と共感 赤楚衛二が未知の世界に飛び込む時に大切にする考え方
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――劇中では、千紘が小沢をビンタするシーンもあり、お二人のいろいろな化学反応を目にすることができます。
菅野:ありましたね! 頬を打つ“フリ”をしようと思っていたんですが、実際に当たってしまって! 本当にごめんね…!
赤楚:当たってしまうのは全然いいんですが、そのシーンの直前に「本当に(平手が頬に)当たるか、当たらないかわからない」と言われたのが一番怖かった! どっちなんだろうって(笑)。
菅野:そうだよね!(笑)。天候の関係で撮影の時間が押していて、撮影ができる時間も限られていたので焦ってしまって…。以前、武田鉄矢さんから、実際には当てないけれど、ビンタをもっともきれいに見せる方法というのを教えていただいて、それをやろうと思ったんです。でもそれができずに、実際に当たってしまって。ごめんなさい!
相性抜群の2人
――今日のお二人の空気感もそうですが、 千紘と小沢はとてもいいコンビだと感じました。彼らは残された資料をもとに未知の世界へと足を踏み入れていきますが、お二人が新しいことに挑戦するときに大事にしている考え方があれば教えてください。
赤楚:「恥をかいていくこと」です。あまり自分に期待をせずに、ダサい姿を見せたとしても思い切って飛び込んでいこうというテンションでいます。
菅野:すばらしい! 一番大事なことだと思います。このお仕事をする中で、見せたい自分だけを見せようとうする生き方もありますから。
赤楚:恥をかく方がきっとすべてを楽しめる気がするんです。だから恥も楽しんでいこうと。ただ歌をやるのは、ちょっと難しいかも…。そこの恥は捨てきれません(苦笑)。お芝居に関しては、常に「1年目です!」という新人のような気持ちでいたいです。
菅野:このお仕事は、新しい作品に入れば、またそこで新しい出会いがあったりと、毎回、新しいことばかりだなと思うんです。若い時は、勉強して自分なりの答えを現場に持っていくことが大事だった時期もあると思いますが、今の年齢になると、得意なこと、やったことがあることの繰り返しにならないようにすることが大切だと感じています。
年齢を重ねると、どうしてもビビッドに反応できなくなってしまうこともあります。でも子育てをしていると、どんどん子どもが大きくなって、できることが増えたりと、成長が目に見えるようで。母である自分も新しいことに触れて、内側はこの子と同じような勢いで変わっているのかもしれない。コツコツと日々を重ねることで、今は自分ではわからないけれど、振り返った時に自分も変化、成長し続けていたんだなと感じられたらうれしいなと思っています。
――ホラー映画の撮影現場では実際に不可思議なことが起こるとも言われていますが、今回はいかがでしたか?
映画『近畿地方のある場所について』場面写真 (C)2025「近畿地方のある場所について」製作委員会
菅野:私も赤楚くんも霊感がないので、まったくわからなかったんですが、トンネルのシーンでは、子役の男の子が「(霊が)見える」と言っていたよね。
赤楚:言っていましたね。あれは本当に怖かった。あのトンネルは、実際に心霊スポットと言われている場所なんですよね。「怖いな」と思いつつも、「なにか見えないかな」と期待したりしていました。その場はそうやって強気でいても、もし本当に見えたとしたら家に帰って寝られなくなっちゃうと思います!
(取材・文:成田おり枝 写真:松林満美)
映画『近畿地方のある場所について』は、8月8日より全国公開。