日向坂46・富田鈴花、卒業前のライブで揺れた感情「卒業を控える切なさも心に響いた」
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――6月27日には「14thシングル『Love yourself!』発売記念配信ミニライブ」内で、自身の卒業セレモニーを実施。富田さんにとって、大きな区切りになったと思います。
富田:卒業を決めてから分かったんですけど、卒業前は気持ちの作り方が難しいんです。活動が残っている中での卒業セレモニーで、しかも、配信なのでおひさま(ファンの愛称)の皆さんが目の前にいない環境では、メンバーも難しかったのかなとも思います。でも、ミニライブの直前には、メンバーと気持ちを確かめ合うことができました。全員に手紙を渡したら、五期生の坂井新奈ちゃんが後日「本当はあの日に渡したかったんですけど」と言って、鉛筆で思いを何度も書き直した手紙を返してくれたんです。五期生は加入(2025年3月)から間もないのに、まっすぐでピュアで、真っ白な心で思いを伝えてくれたのがうれしかったし、人との絆は「時間の長さじゃなく濃さ」だと思いました。
――坂井さんをはじめ、後輩の皆さんは「かわいい妹」と卒業セレモニーなどで表現していました。自身の卒業後、後輩のメンバーに期待するものは何ですか?
富田:期によって、外側から見たグループのイメージ、内側から見たグループのイメージが違うと思います。四期生はテレビで私たちを知って加入してきた子たちが多く、突き抜けて明るいんです。五期生は二期生と雰囲気が似ていて、これからいろいろと悩んだとしても、私たちのような強い気持ちで壁を乗り越えてくれるだろうと思っています。三期生は活動年数が長くなってきて、いろいろなことを考える時期だとも思いますけど、一番「日向坂46の血」を濃く持っているメンバーがそろっているので期待しています。みんな、先輩の前でも気にせず、もっと自分に素直になってグループで活動していってほしいです。
――共に歩んできた同期については「生まれ変わってもまた二期生がいい」と、語っていました。
富田:当初はメンバーが9人いて、活動を通して、関係性が明らかに変わったのは二期生だけだったと思うんです。グループを一番に考えているメンバーが近くにいたからこそ、私も「強みを前面に出して1人でも頑張らなきゃ」と励めたし、この先でやりたいことを見つけられたのも、同期がそれぞれ個人で頑張っている“外仕事”に刺激を受けたのがあったんです。卒業後、新たなお仕事が決まったら同期には真っ先に報告します。
――メンバーへの思いも巡らせながら、1つ1つ、日向坂46の富田さんとして“最後の仕事”が終わりつつあります。特に、卒業発表前後にあった4〜6月にかけての“ライブラッシュ”を振り返り、もう、悔いはないですか?
富田:7本ぐらい、あったのかな…(笑)。私は、自分がいいと思うものより、周りの皆さんがいいと思ってくださるのがうれしいし、そうした評価をしっかりと受け止めたいんです。卒業についても、おひさまの皆さんも心の底から「よかったよ」と伝えてくださって、うれしくなりました。最後、卒業セレモニーが配信になってしまったのは、誰かにとっては理想の形ではなかったかもしれません。でも、すてきなステージを作れたし、終演後は「本当によかった」と心から思えました。
(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:小川遼)
日向坂46・富田鈴花1st写真集『鈴花サーキット』は、光文社より8月5日発売(一部地域では発売日が異なる場合あり)。価格は2600円(税込)。