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『子鹿のゾンビ』は『ジュラシック・パーク』へのオマージュ! 日本人監督の発掘にも興味

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映画『子鹿のゾンビ』場面写真
映画『子鹿のゾンビ』場面写真(C)2025 ITN Distribution Inc. All Rights Reserved.

 フェーリクス・ザルテンの児童文学をベースに、ディズニーのアニメ映画で世界的に知られる『小鹿のバンビ』。そのイメージを一変させるホラー映画『子鹿のゾンビ』が誕生した。手掛けたのは、『プー あくまのくまさん』(2023)で世界をザワつかせた映画製作会社itnのプロデューサー、スチュアート・オルソン。プーに続き、バンビやピーター・パン、ピノキオを次々ホラー化し、「ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバース(TCU)」を構築中だ。さらに全キャラクターが集結する映画まで控えているという。今回、彼に『子鹿のゾンビ』誕生の裏側や、さらに“版権切れ”映画を手掛けるきっかけを聞いた。

【写真】デカい・・! 巨大化&狂暴化したバンビ 『子鹿のゾンビ』フォトギャラリー

 幼い頃、人間に母を撃ち殺され、成長してからは愛する妻をひき逃げで失い、最愛の子とも引き離されたバンビ。度重なる悲劇に見舞われたバンビは、化学物質で汚染された川の水を飲んだことをきっかけに、恐るべきモンスターへと変貌を遂げる。怒りと哀しみに突き動かされた狂獣・バンビによる、凄惨な復讐劇がいま始まる。

■『子鹿のゾンビ』は『ジュラシック・パーク』へのオマージュ!

 「これは史上初の実写版バンビ映画なんです」とオルソンは語る。最初に思いついたのは、「バンビがコウモリに噛まれて『クジョー』(1983)のように狂暴化する」という突飛なアイデアだった。しかし、物語は若い監督や脚本家に委ねられ、最終的には“化学物質を飲んで変貌するバンビ”という設定が採用された。

 「僕は映画製作者を信頼して、彼らのビジョンに干渉しません。妻のニコールが脚本に協力して整合性を取るくらいです。才能ある監督を見つけて放っておくのが、最高の映画になる秘訣なんです」とにやり。基本的に出資者・配給者として作品を見守り、細かく口は出さないと決めている。

 実は、と書いたら失礼だが、本作を話題性重視の低予算のイロモノ映画だと思って観たら、結構ちゃんとした作りで驚かされる。特に相乗的なおもしろさを生んでいるのが、随所にみられる『ジュラシック・パーク』(1993)へのオマージュだ。

 「監督のダン・アレンが一番好きな映画が『ジュラシック・パーク』(1993)なんです。彼の夢は同じくらい良いものを作ること、少なくとも何らかの生物を登場させることでした。心底あの作品を愛しているんです」。巨大化したバンビの暴走シーン、カーアクションなど、その愛情が色濃く反映されたシーンの数々。奇しくも、公開時期が本家の新シリーズと重なったことも、運命的だ。

■14日間の撮影、365日かけたVFX

映画『子鹿のゾンビ』場面写真 (C)2025 ITN Distribution Inc. All Rights Reserved.
 撮影はわずか14日間。主人公親子のシーンでは、子役のトム・マルヘロンのスケジュールの制約を乗り越える必要があった。

 「とても高い演技力を持つ子役でしたが、児童労働法の規則を遵守するため家に帰さなくちゃいけない。母親役を演じたのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』のドリア役で知られるロクサンヌ・マッキーで、彼女は本当にすばらしかった。多くのシーンが子役のいない状態で撮影され、背の低いスタッフを代役に立てることもありました」。

 一方、VFXは一年をかけて丁寧に仕上げられ、ダイナミックな鹿の動きはフルCGで表現された。「本作の予算規模は『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』(2023)の50万ドルとほぼ同等でした。違いはVFXに予算の半分を投入した点です。わずか14日間で撮影し、VFXの作業に365日かかりました。俳優たちは実際には存在しないクリーチャーに向かって演じたのに、迫真の演技を見せてくれました」と振り返る。

■会ったことのない監督に資金を託す

 驚くことに、監督のダン・アレンとは映画が完成するまで一度も会わなかったという。

 「僕たちの会社『itn』は、インターナショナル・タレント・ネットワークの略で、他のスタジオとの違いはバーチャルスタジオであることです。どこにも存在しないし、どこにでも存在する。『誰が出演するか』より『誰が作るか』を重視します。だから才能ある映画製作者を見つけて資金を託し、自由に任せる。本作の監督ダンとは、完成した作品のQ&Aセッションで会うまで、一度も会ったことがなかったんです。会ったこともない人に映画製作の資金を提供することが想像できますか?」と笑うオルソン。

 「ダンの才能は『子鹿のゾンビ』を観れば一目瞭然でしょう。自分が何をしたいか分かっていて、ビジョンがあり、それを実行することができる。誰もができることではありません。映画は監督のメディアだからこそ、任せるのが一番と信じています」と自信を見せる。

 すると「日本の才能ある監督も見つけたいですね! 地球上の全ての国から監督を探したい。まあ、危険な国は除いてね。すばらしい試みでしょ? デンマーク、スウェーデン、イギリス、アメリカ、メキシコからは既にいるから、次は日本に誰かいないかな。実際、地球上のあらゆる国から才能ある監督を見つけることが目標なんです。月にも誰かいるかもしれないけど、忙しいでしょうからね」と、日本からの才能発掘にも興味津々の監督。近い将来、日本人監督が「ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバース」に参戦する可能性もあるかもしれない。

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■ホラー版プーさんが大ヒットするも…くやしさを心に刻み、奮起!

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不気味に動くピノキオ人形 ※『Winnie‐the‐Pooh: Blood and Honey』X

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