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『子鹿のゾンビ』は『ジュラシック・パーク』へのオマージュ! 日本人監督の発掘にも興味

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■プロデューサー人生で一番の失敗映画とは?

 さて、年間何十本もの映画を製作する資金の仕組みについて尋ねると、オルソンはこう説明する。

 「僕らの映画が成立するのは、観客と海外バイヤーのおかげです。各国の配給権を前もって買い取ってくれるから、僕らは大きなリスクを背負わずに資金を投じられるんです」。

 itnでは借金や大規模な資金調達を行わず、同じ資金を回転させながら新作を次々に送り出すという方式をとっている。前売りもしない。そのためスピーディーな製作体制を保ちつつ、多くのクリエイターにチャンスを与えられるのだ。

 「ただ、今回はいつもの規模を超えていました。けれど日本をはじめ世界各国から強い需要が見えていたので、資金を“凍結”しても安全だと判断できたんです」と余裕をのぞかせた。

 そんなオルソンの最大の失敗作を聞いてみると、苦々しいといった声をだしながら「一番の失敗は…小規模なVOD企画ですが、『パンチ&ジュディ』というイギリスの有名な人形劇のキャラクターが、ビーチでモンスター化するというもので、もうけは400ドルくらいだったかな」とポツリ。いや、一番の失敗作で赤字ではないのがむしろすごいと思うのだが。

 そしてもちろん一番の成功は『プー あくまのくまさん』。「世界中が狂ったように夢中になったんだ。だからあれが最大の成功だろうね。でも“最高の映画”かはわからない。どんどん良くなっているからね!」。

映画『子鹿のゾンビ』場面写真 (C)2025 ITN Distribution Inc. All Rights Reserved.
■モンスターがアッセンブル!

 では、今後の展開はどうなるのだろうか。すでに撮影を終えたのが『ピノキオ・アンストリング(原題:Pinocchio: Unstrung)』。特殊効果を『チャイルド・プレイ』(2019)や『デューン 砂の惑星PART2』(2024)に参加したトッド・マスターズが担当し、本格的なアニマトロニクスを導入した。「本当に素晴らしい仕上がりなんだ。来年には公開できるはず」と胸を張る。

 さらに『プー3』の撮影が控え、その後には全キャラクターが集結する『プーニバース:モンスターズ・アッセンブル(Poohniverse: Monsters Assemble)』が待ち構えている。

 『プーニバース』については、「今は脚本を練っているところで、具体的な展開はすべてイメージできている。規模の大きな作品になるよ。ただ、一つひとつの映画の間に少し間隔をあけて、観客の期待を高めたい。公開はおそらく2027年ごろになるだろうね」と語った。

 ほかにも、オルソンが関わっている待機作リストは、現時点で60作以上。かつて低予算映画を量産し、多くの才能を輩出した名物プロデューサー、ロジャー・コーマンを思わせる存在感。今勢いに乗るitn作品群からも、未来のスターが生まれるだろうか。楽しみに待ちたい。(取材・文:川辺想子)

 映画『子鹿のゾンビ』は公開中。

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不気味に動くピノキオ人形 ※『Winnie‐the‐Pooh: Blood and Honey』X

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