King & Prince高橋海人、表現者として“自分流”追い求める「技術を磨いて、育てていけたら」
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江戸時代へと没入できる世界観が用意されながらも、大森立嗣監督からは「時代劇として考えなくていいよ」という声がけがあったのだとか。
高橋は「最初は緊張していたんですが、そう言っていただけたことでフラットな気持ちで撮影に臨むことができました」と感謝しきりで、「大森監督は、『とにかくビビらず、のびのびとふざけちゃっていい。アドリブも大歓迎』と言ってくださって。超刺激的で、楽しく撮影することができた。それは自分にとって、財産です」とにっこり。「応為や北斎、善次郎たちの人間関係や生活模様が見えるところが、この映画のものすごくステキなところだなと思っていて。まるで隣に住んでいる人たちの姿を覗き見しているような感覚で、彼らを見つめられるのがすごく面白い」と語るように、役者陣が生き生きと登場人物を演じることで、その時代の生活の匂いまで伝わってくるような映画になっている。
高橋の画力が高いことを知った製作陣が、急遽、善次郎の執筆シーンを追加。役作りとして高橋は、クランクイン前から浮世絵の特訓にも励んだ。
「英泉は春画を得意とした絵師ということで、練習も一発目から女性の裸体を描いて」と照れ笑いをのぞかせつつ、「毛筆で何かを描くというのは、習字以来のことです。筆ではカーブを描く際にも、途中で筆圧が変わったりする。だからこそ、よりその時々の魂や感情が乗るものなんだなと思いました」としみじみ。英泉の描いた絵から、役作りのインスピレーションを受けることもあったと続ける。
「北斎の描く波は、ものすごいシャッタースピードでとらえられているとも言われていますよね。自分で見た景色を覚えておきながら、そこにファンタジーを織り込みながら描いたりもする。でも英泉は、美人画や春画など、ファンタジーというよりは、リアルなものを美しく描いていた人なのかなと思います」と思いを巡らせ、「英泉は妹を養いながら絵師をやっていたので、彼にとって絵はきっと、生きていくため、生活していくためのもの。だからこそ、現実主義な絵を描いていたのかもしれないと感じました。自分で描いていても、その人の人となりや生き様と、描く絵は密接になるものなんだなと感じることがあって。僕の描く絵がどうしてもファンタジーでポップなものになるのは、自分がそういう脳みそだからなんだろうなと思います」と打ち明けていた。