北翔海莉&妃海風、“みちふう”コンビ誕生から10年 “親友で戦友”お互いの活躍が今も励み
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妃海風
――今年は、北翔さん、妃海さんの「みちふう」コンビが爆誕して10周年となります。
北翔&妃海:爆誕(笑)。
――個人的な話になるのですが、プレお披露目の『大海賊』を神奈川県民ホールで拝見しまして、あの時の割れんばかりの拍手と熱狂は忘れられません。
北翔:ありがとうございます。まだ覚えていてくださって。
――はじめに相手役が妃海さん、北翔さんだと聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?
北翔:一度も組んだことがなかったので、お見合い結婚みたいだなと思いました。だいたいは組む前にちょっとでもお試し期間みたいなのが必ずあるんですけど、そういうのもなかったんですよね。
妃海:宙組での初舞台の時はもちろんずっと陰から見ていただけですし、(北翔が専科時代に特別出演した)『眠らない男・ナポレオン-愛と栄光の涯(はて)に-』で星組に来られた時に、忘れもしない、踊り方とかお芝居とかが本当にカッコよくって! でも声をかける勇気はない、みたいな感じだったんです。
北翔:(妃海は)まだ新人公演の時期だったものね。
妃海:一回だけ「カッコイイです!」ってお伝えしたことがあるんです。でもそれだけで終わりました(笑)。
――その時の北翔さんの反応は?
妃海:「ありがとう」って言ってくださいました。そんな方の相手役だと教えていただいたときはとてもうれしかったのですが、全組回っていて、なんでもできて、しかも資格も持ってるよと、ちょっと伝説的な方になっていらしたので(笑)。すごくお稽古しているらしいよとか情報が入ってきて、「私、大丈夫かな」って思いました。
(左から)妃海風、北翔海莉
――退団から9年が経ちますが、お二人の関係性に変化はありますか?
北翔:卒業後もやっぱり風ちゃんの活躍ぶりは自分にとっての一番の励みです。「体調崩してないかな?」って親心もありますね。「海外行って大丈夫かな」「食事は合うんだろうか?」って。
妃海:「元気なの?」「生きてるの?」って連絡をくださいます(笑)。
――舞台『千と千尋の神隠し』でロンドン、上海公演を経験、朝ドラ『おむすび』にも出演と、妃海さんの大活躍ぶりは北翔さんの目にはどのように映りますか?
北翔:本当にあっぱれですよ。
妃海:ずっとご縁が続いていて。最初は相手役というご縁でしたけれど、こんなに深いつながりになるとは思っていなかったです。年を重ねるほどに、みちこさんとの出会いに感謝しかないです。
――先ほど親友というお言葉もありました。
北翔:戦友みたいな感じですね。
妃海:私には王子様ですけどね、お母さんになられても。稽古初日なんてずっと見つめていましたから!
――妃海さんは、退団後の北翔さんのここが変わったなと感じられるところはありますか?
妃海:出会ったときからそうなんですけど、進化し続けていらっしゃるんです。つねに挑戦し続けて、いつも好奇心をお持ちで、持っているパワーは変わられていないですね。お会いすると自分も頑張ろうと思わせてくれる方です。
――古巣の宝塚でいうと、同期の礼真琴さん、柚香光さん、月城かなとさんがトップを務め上げられ退団。同じく同期の朝美絢さん、桜木みなとさんがトップさんとして活躍されています。
妃海:同期が変わらず活躍してくれているのが本当にうれしいですね。観るたびに感動して泣いています。同期の活躍は、私の励みになります。
北翔:大変さが分かるからね。
――北翔さんにとっても、宙組時代に『記者と皇帝』などで共演した桜木さんや、専科時代にご出演の『THE MERRY WIDOW』で北翔さんのアドリブにあたふたしていた暁千星さんが星組でトップになるなど、ご縁のある方がトップスターになられました。
北翔:本当にちっちゃかった子がみんな立派になって、よくやっているなって思って観ています。
――最後に今回の作品を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
北翔:今回は、今までよりも最強のものを自信を持ってお届けしたいなと思っています。もうそれだけです。長いことは言いません。今回観ないと損するぞ!っていう作品になっています。
妃海:稽古場が最高に楽しくて! 振り覚えなど大変なこともありますけど、それがとってもいいエネルギーとなって、本当に楽しい『CLUB SEVEN』になるだろうと思います。またみちこさんとご一緒するという私自身のうれしい気持ちもお届けしたいですね(笑)。ぜひ劇場にお越しください!
(取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美)
『CLUB SEVEN another place II』は、東京・有楽町よみうりホールにて10月4日~14日、大阪・サンケイホールブリーゼにて10月24日~25日上演。