小栗旬×ハン・ヒョジュ、久しぶりのラブストーリーは「恥ずかしい」 撮影合間はゴルフで交流
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――日本では若者向けのラブストーリーが多いですが、本作は大人たちの恋を中心に、もがく姿を見つめた作品ですね。
小栗:ラブももちろんですけど、仕事の部分もちゃんと描いていますし、自分としては、そこにあくまで恋愛が入ってきているのだと思います。基本的には、傷を持った人たちがそれぞれの向き合い方で、なんとか日常を送ろうとしている姿が、ひとつの大きなテーマかなと。今を生きる人たちは、みんな大なり小なりトラウマやコンプレックス、傷といったものを持ちながら生きている。そこに寄り添える作品になっているんじゃないかと思いますね。
ヒョジュ:中学生とか高校生の頃に隠れて読んでいたマンガのような感じで、ドキドキしてしまいました。久しぶりにそういう、懐かしいような気持ちになりました。たぶん私と同じ年代の女性たちも好きになってくれると思います。
――演じる側として、久しぶりのラブストーリーに出演したことは。
小栗:恥ずかしいですね。
ヒョジュ:私も恥ずかしかったです。ずいぶん長い間恋愛ものをやっていなかったんです。でもこの作品で久しぶりに演じてみたら、20代の頃の表情をしていて、「私にそんな顔あったんだ」と改めて思いました。
(左から)ハン・ヒョジュ、小栗旬
――壮亮さん目線で映るハナさんがめちゃくちゃ可愛かったです。壮亮さんは、絶対にかなり初期からハナさんのことを好きですよね。
小栗:互いに抱えているものを克服していくために、ふたりで“練習”をするんですけど、その前に壮亮は「僕のこと好きになられたら困るんですけど」と言ってから、人に触れる練習をしていきます。“触れる”という行為は壮亮にとってとてつもない出来事なので、それがハナにはできてしまったという瞬間から、壮亮のほうが、ものすごく意識しているんですよね。雨のシーンでもそうだし、レストランで見つめ合っているシーンでも、ひとりで勝手に汗をどんどんかいちゃう。
――そんな壮亮さんが可愛らしかったです。
小栗:「別にこれは恋じゃない」とずっと思い込もうとしているんですけど、とにかくハナさんのことが気になってしまう。
■赤西仁演じる“モテキャラ” 寛は「パーソナルに近い」
――一方、ハナさんはとくに序盤、赤西さん演じる壮亮の友人・寛を見るとき、目がハートになっていました。寛もとてもいいキャラクターで、赤西さんにぴったりでした。
小栗:なんでもできちゃう男、みたいな感じでね。すごく優しいし。でも彼も彼で不眠症のような状態で苦しんでいる。とにかく全員不器用なんです。中村ゆりちゃんが演じる精神科医のアイリーンはアルコール依存症ですし。
――ヒョジュさんは、寛のキャラクターをどう感じましたか。
ヒョジュ:もともと脚本に書いてあった寛とはちょっと違って、赤西さんの魅力で今回のような寛になったと思います。
――もともとの脚本では印象が違ったのですか?
ヒョジュ:もっと柔らかな感じだったというか。
小栗:もっと分かりやすく超いい男というイメージの書かれ方だった気がします。
Netflixシリーズ『匿名の恋人たち』高田寛役の赤西仁
ヒョジュ:太陽のように明るい男の人で、みんなが初恋をしそうな、それこそ少女漫画に出てくるように明るくて優しくて。
――赤西さんが演じたことで、キャラクターに深みが加わった。
小栗&ヒョジュ:そうですね。
小栗:仁のパーソナルに近い方向性になったのかなと思います。
――ちなみに小栗さんの近くに壮亮や寛がいたら。
小栗:寛とは友達になるかもしれないけれど、壮亮とはきっと仲良くならないんじゃないですかね(笑)。
――ただ壮亮は一見、近寄りがたい感じですが、それぞれのエピソードからも伝わる通り、実際に触れ合った人たちとは、すごくいい関係を育んでいきます。
小栗:なるべく人と距離を取って生きていたいタイプなんですけど、根はいいやつなんですよ。人の秘密も絶対に守りますし。やっぱり自分にも秘密があるから、そこは絶対守るというスタイルなんですよね。