岡田奈々、体調不良での休養を経て意識に変化 新アルバムは「自分の中の黒い部分がだんだん浄化されて過去イチ”ポジティブ”に」

――今回は初めての作曲もされたんですよね。作曲したいという思いはもともとあったのでしょうか。
岡田:なかったです。曲が降りてくるってよく言うじゃないですか。そんなの絶対無理、と思っていたので作る気はなかったんですけど、突然降りてきたんですよ。AKB48劇場のステージを見た日の夜に。
――AKB48劇場を見に行った日に生まれたんですか。
岡田:そうなんです。何か心に来るものがあったのか、1人で晩酌中に「あれ? 降りてきたぞ」って。それで、急いでボイスメモで残して作り始めました。
――もともとは、自身で作曲した楽曲を収録する予定ではなかったんですよね。
岡田:はい。作曲する予定はまったくなかったので(笑)。でも最初は使われると思っていなかったんですよ。どうせ自分の作曲なんて、と思いながらも、Aメロのワンフレーズだけ送ったら、音楽ディレクターの方がこっそりそのワンフレーズにメロディーをつけて曲っぽくしてくれていて。それを聴いた時に、「全部作りたいな」と思いましたね。
――作曲は今後もできそうですか。
岡田:いや、たぶんできないです。この時はたまたま降りてきたんですけど、この日以来、降りてきてないので、今後は分からないですね。作詞をやれるなんていうこともアイドル時代は思っていなかったし、作曲なんてもってのほかだったので、びっくりです。自分がここまで音楽にのめり込んで、いろんなことに挑戦できているという事実が怖いくらい。

――ソロデビュー以降、毎年アルバムを出すなど順調に活動されているように思いますが、ご自身にとってはどんな期間でしたか。
岡田:充実していました。休養を挟んだ時もありましたが、自分のやりたい音楽を作って、ライブをして、ファンの方とたくさんコミュニケーションを取れるイベントをして、と、申し訳ないぐらいに自分のやりたいことをやらせてもらったなと思います。いつもお世話になっているスタッフの皆さん、いつも応援してくれるファンの皆さんにすごく感謝しています。
――やりたいように活動できる一方で、グループ時代とは違う孤独感や不安はありませんか。
岡田:まさに孤独だし、ステージに立つときは誰にも助けを求められないから悩むことはあります。アイドルにしか出せないキラキラ感、秋元(康)先生の曲でしか得られない栄養、みたいなものもやっぱあるので、それを感じた時にはどうしても劣等感が生まれます。自分の存在価値が無意味なものなんじゃないか、って。
――今でも?
岡田:今でもです。それで生まれたのが、今回自分で作曲したリード曲。自分の思いがこの曲に全部詰まっています。
――感情の波も、曲の幅を広げることに繋がるのかもしれませんね。
岡田:歌を作る上で、そういう“闇落ち”も大事だと思うんです。ずっと楽しい、ハッピーな生活を送っていると、意外と歌詞って書けないんですよ。だから歌詞を書く者としては、たまにはそうやって落ち込む日も大事だなと思います。
――落ち込む時も充実した気分の日もある中で、今の活動の支えはどんなことですか。
岡田:ファンの皆さんの存在ですね。卒業してから立ち上げたファンクラブで、日々ファンの方のコメントを近くで感じられることが一番の支えです。オンラインお話し会というイベントも月に2回やっているし、ファンの方とは毎日何かしら交流があるんです。みんながいないと本当に何にもできないので、生きていく上で、仕事する上で、一番大事な、なくてはならない存在です。

