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安井順平、話題作に引っ張りだこのバイプレイヤー デビューからの30年は「大部分が満足できないけど無駄はない」

映画

◆50歳になって意識に変化「あと何本いいのをやれるのかな」



――昨年50歳になられて、これからどんな安井順平を見せていきたいという思いをお持ちですか?

安井:死を多少意識していきますからね、50を過ぎると。舞台でも映像でもあと何本いいのをやれるかなっていう感覚になりつつあるので、今まで以上にやりたいことしかやらなくなっていくかもしれないです。マネージャーは困るかもしれません(笑)。

もちろん、やれるものはやっていこうというマインドになる可能性もあるんですよ。死に近づいているから、その分自分が出ている作品を後世に残していこうっていうモードになるかもしれないし、やりたいものをやって天命をまっとうしようとなるかもしれない。そこはその時の自分に正直にいこうかと思っています。

この業界も不景気ですし、お金を稼ごうってのは半ば諦めています(笑)。そのかわり、お金以上の喜びも多い世界ですから。

――Netflixなど配信系の作品も増えてきましたが、違いは感じられますか?

安井:お金のかけ方がまず違います。もの作りはお金をかければいい作品になるってわけではないと思いますが、かけなきゃいけないところには出さないと、クオリティの高い作品はなかなか生まれないですね。安くて美味しい店はもちろんありますが、高いお店はたいてい美味しいのと一緒です。予算オーバーしてでもここだけは!っていう信念とこだわりが大事になってくると思います。それが信頼に繋がります。


――我々視聴者もこれまで地上波でなんでもタダで楽しめていましたが、観たいものにはちゃんと課金して楽しむという意識が根づきつつあります。

安井:松本人志さんが始められた『ダウンタウンプラス』もそうですよね。あのおふたりがやるものはずっと面白かったという実績が登録者数に表れてるんだと思います。

僕もそういう俳優になりたいですね。「この人が出る作品って面白いもの多いんだよな」「この人が出るなら面白いに違いない」「やっぱり面白かった」そういう信頼のある俳優になりたい。なんでもかんでも仕事を受けないというのはそういうことかもしれないです。自分が興味を持てない作品に参加するのも失礼だし。でも、自分が出ることで面白くできるかもしれないとか、ものすごい熱量でもってオファーいただいたりした時には参加を決めたりもします。それは挑戦する面白さとか、求められている喜びで突き動かされたりしますね。

――最後にあらためて、映画『ブルーボーイ事件』についてメッセージをお願いします。

安井:トランスジェンダーについて理解してくださいと押しつけがましいわけでもなく、「ブルーボーイ事件」という事実がそこにあり、皆さんこれを観て何を思いますか?って問いを投げかける映画だと思うんです。人権について?幸せについて?自由に思ってもらいたい。観た人がそういうことを考えるとっかかりになればいいなと思います。小難しいこともなくエンタメに昇華されている作品です。

まあ、僕がやりたいと思った映画なんで、面白いと思います。……いや、これはちょっと恥ずかしいな(笑)。

(取材・文:近藤ユウヒ 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])

 映画『ブルーボーイ事件』は、11月14日より公開。

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