実写『ワンピ』巨大セットはすぐ撤去 サンジ&ナミ&ウソップ俳優が明かす“驚きの撮影裏”
関連 :
「すごく美しい景色の真ん中に、ウイスキーピークのセットが建てられていたんです。しかも、撮影していた頃が野花のシーズンで、セットの周りにはたくさんの花が咲いていました。カメラを置いている場所から少し歩けば、野生の馬にも会えるんですけど、地元の男性グループが裸馬のまま、ひょいっと乗って、そのままどこかに走り去って行ったんです。もう本当に魔法みたいで神秘的な光景でした。『ONE PIECE』のようなファンタジーの世界にいる気分でした」
Netflixシリーズ『ONE PIECE』シーズン2 場面写真 (C)尾田栄一郎/集英社
また、エミリーは「やっぱりラブーンはすごかったと思う」とかみ締める。巨大なだけでなく、胃液や腐乱死体が散らばっており、細部にまでこだわられたセットだった。
「ただでさえ大きいゴーイング・メリー号を入れなければいけないので、ラブーンの体内のセットはスタジアム級の大きさでした。しかも、われわれの船だけでなく、難破船もあったんです。加えて、泡立つ水を胃液に見立てたり、胃の内側の壁を濡らしたりして、本当に胃の中にいるように見せていました。とにかくものすごく手間がかかっていたんです」と驚きの裏側を明かす。
来日記者会見でゾロ役の新田真剣佑は、ラブーンのセットは1周すると5分はかかると言っていたが、エミリーは「わたしの感覚では10分くらいかかっていた気がします」とより巨大に感じたという。
そんな豪華なセットは、さみしいことに、撮影が終わるとすぐに撤去されていくのだとか。「わたしたちがラブーンの体内で撮影したのは1エピソードだけだったので、撮影が終われば、セットはなくなってしまいました。すごく美しいセットなのに、そこがさみしいところなんですよね。『ONE PIECE』は島から島へと旅する物語なので、セットに愛着が湧いた頃には、『はい、次の島ですよ』という感じで別れることになるんです」とエミリー。「『ONE PIECE』のテーマパークができるくらい、たくさんのセットがありました」とジェイコブは笑う。
思い出話に花を咲かせる中で、タズが「誰か恐竜を見た?」と二人に訪ねた。第4話で、ゾロとサンジがT-レックスと対峙(たいじ)する場面があるが、同シーンにナミはいないので、エミリーは一部のセットしか見ていなかったらしい。ところが、恐竜が大好きだというジェイコブは、こっそりと見に行ったと言い、「本当に恐竜が大好きで『どこにいるんだ!?』って探しに行ったよ」とうれしそうに話す。
Netflixシリーズ『ONE PIECE』シーズン2 場面写真 (C)尾田栄一郎/集英社
T-レックスが登場するのは、ほぼ1シーン。タズは、短いシーンのために、実物大のプロップが用意されていたことが印象的だったようで「恐竜の隣で芝居ができたのは本当に驚きでした。動きや仕掛けも含めて本当にすごかった。これまであまりインタビューで答えてこなかったんですけど、あの恐竜はとにかく信じられないくらい大きかったんです」と興奮気味に語る。
尾田が納得する世界に仕上げるため、キャストとスタッフが一丸となって作り上げてきた実写版『ONE PIECE』。長期にわたる撮影の息抜きは、三者三様だったようで、タズはアクセサリー作り、エミリーは陶芸や編み物、ジェイコブは作曲に没頭した。
三人とも別々の方法で趣味を楽しんだようだが、何かを生み出すという点では共通している。さらに、出来上がったものを贈り合うこともあるそうで、ジェイコブは「僕が持っているお気に入りの帽子の一つはエミリーが編んでくれたんです」とうれしそうに明かす。
するとエミリーも「ジェイコブは、いつもアパートで音楽を作っているの。本当にすごいアーティストです」と言い、タズも「素晴らしいシンガーでもあるんです。本人は自分から言わないけれど、彼の曲が僕のプレイリストに入っていて、すごく耳に残るんだ」と絶賛する。
Netflixシリーズ『ONE PIECE』シーズン2 場面写真 (C)尾田栄一郎/集英社
またタズは、作ったアクセサリーを撮影で使うこともあるそう。「シーズン2でサンジがつけている指輪のうち2つは僕が作りました。南アフリカでシルバーをたくさん買ったんです」と明かす。
するとジェイコブは「タズがアクセサリー作りに夢中になり始めた時は、本当に思いやりがあって、僕たち全員に、ドクロとクロスボーンの指輪を作ってプレゼントしてくれたんだ」と仲良しエピソードを披露。
新田とタズは、シーズン1の撮影時から共にアクセサリー作りをする仲になったようで、「撮影が終わった後や週末にうちに来て、一日中、磨いたり、穴を開けたり、いろいろ作業をして過ごしました。真剣佑には、自分で作れるようにシルバーをたくさんあげたんです。あ、すごく大きい電伝虫も作りました(笑)」と思い出をシェアしてくれた。
来日時は朝の4時台に空港に、ホテルに6時頃着くスケジュールだったというが、ジェイコブは「今から焼き肉を食べに行こう!」となんとかタズを説得し、朝8時までやっている焼肉店に行ったのだとか。
タズは「焼き肉を食べ終わった後にジェイコブが『最高だった。もう満足だ。じゃあ魚市場行こう』って言ってきて、僕は『いやいや…』って感じだったんですけど、結局市場に行って、ジェイコブはいきなり巨大なカニの脚にかぶりついていました(笑)」と言い、ジェイコブも「タズが『ウニ食べてみたい』って言うから、一番大きいウニ丼を頼んだんだ。しかも卵乗せで。本当にクレイジーでした。しかもこれ全部、朝9時前の出来事なんですよ」と笑う。
タイトなスケジュールの日本滞在の中で、イベントではファンとの交流も楽しみ、「ファンたちのエネルギーが大きくて2日酔いになった気分だった」と語る三人。『ONE PIECE』が生まれた日本で作品がファンに認められたことにも喜んでいた。
シーズン2が配信されたばかりではあるが、本作のシーズン3の撮影は、すでに昨年の11月から始まっており、まだまだ“偉大なる航路(グランドライン)”の冒険は続いていく。この先、どんな風にわれわれの度肝を抜いてくれるのか。撮影外でも“麦わらの一味”のような絆を見せるキャスト陣ならば、期待を遥かに越える旅路を見せてくれることだろう。(取材・文:阿部桜子 写真:上野留加)
Netflixシリーズ『ONE PIECE』シーズン1~2は、世界独占配信中。

