『名探偵プリキュア!』長谷川育美×東山奈央、“奇跡の二人”が選んだ未来【後編】
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――探偵テストでは、同じ答えにたどり着きながら、くれあとるるかは違う選択をしました。お二人は、そこに表れた二人らしさをどう感じましたか?
東山:二人は、本当に唯一無二の関係だと思います。出会ったときから、くれあは優しくて、包容力にあふれていて。
探偵テストでも、実はくれあは答えにたどり着いていたんです。でも、「事実を伝えることが、本当に相手のためになるのだろうか」と考えて、あえて口にしなかった。一方、るるかは、「名探偵なら、事実をきちんと伝えるべきだ」と考える。二人とも優秀だけれど、探偵として大切にしているものが少し違ったんですよね。
そのとき、二人は少し切なそうな表情を見せます。でも、それは相手にがっかりしたからではなく、ただ「私たち、やり方が違ったんだね」と受け止めた表情なのだと、アフレコのときにスタッフさんから伺いました。
違った考えを持っているからこそ、るるかは自分にはないくれあの優しさをすごいと思い、リスペクトしていたんだと思います。くれあには、名探偵プリキュアになれる力も、優れた“第六感”もある。その才能を誰より近くで感じていたのが、るるかでした。
自分が先に名探偵プリキュアになっても、ずっとくれあと一緒にいたい。だから日本へ来るときも、彼女を助手として連れていくことを選んだ。それくらいくれあを信頼し、その才能をまぶしく感じていたんですよね。るるかにとってくれあは、誰よりもそばにいてほしい存在だったんだと思います。
長谷川:くれあから見ても、るるかは自分にない魅力を持っている存在です。きっと、お互いにそうなんですよね。どちらが正しいということではなく、違うものを持っているからこそ補い合える。そこに二人ならではのバディー感があると思います。
ここからは私の想像ですが、探偵テストに合格できなかったときのくれあにとって、るるかの存在は本当に大きかったんじゃないかなって。探偵になれなかったくれあの隣にいて、励まし、香水を渡してくれた。くれあは人当たりも良くて、何でもできそうに見える子ですが、あのとき、るるかにどれほど救われたんだろうと思います。
普段は見えなくても、気持ちの上ではるるかに背中を預けたり、そっと肩に寄りかかったりしているようなところが、きっとあるんじゃないかなって。
第31話で、くれあが「あなたが認めてくれたから、私は今こうしていられる」と涙ながらに伝える場面からも、その思いが伝わってきました。るるかは、くれあにとって、いなくてはならない人。そばにいてくれなければ、まっすぐ歩けないくらい大切な存在なのかなと思います。
アニメ『名探偵プリキュア!』場面写真(C)ABC-A・東映アニメーション
――二人は、“頼るべきものがいない子たち”でもありました。お二人には、くれあとるるかがどんな関係に見えていますか?
長谷川:二人は、生い立ちが似ているんですよね。特にるるかは内気で、人とコミュニケーションを取ることが得意ではなく、くれあと出会った頃もすごくたどたどしかった。そんなるるかが心を通わせられた相手だからこそ、二人の絆は、ほかの人には計り知れないほど深いものになったんだと思います。
その絆を知れば知るほど、その後に待っている展開が、より苦しく感じられて……。あんなとみくるも“奇跡の二人”ですが、くれあとるるかも、出会うべくして出会った“奇跡の二人”なんですよね。
るるかの「ただ笑顔でいてくれれば、それでいい」という思いには、本当に涙が出ます。自分がどれだけ苦しくても、すべてを背負ってでも救いたい。そこまで思える相手に、みんなが人生で出会えるわけではないと思うんです。物語を追うほどに、二人はやっぱり“運命の二人”なんだと感じました。
東山:私は、るるかの「くれあを守りたい」という思いを抱えながら、この半年間演じてきました。でも、なぜここまでくれあにこだわるのか。それは、くれあがただの友達ではなく、「もう、あなたしかいない」と思える存在だからなんです。
もちろん、世界を守るという大きな使命もあります。でも、その前に、一人の人間として「あなたには笑顔で生きていてほしい」と願っている。きっと、二人が似た寂しさを抱えてきたからこそ生まれた思いなんですよね。
そうした背景を知ったときは、その重さがずしんと胸に入り込んできました。るるかが抱えているものに、私もきちんと向き合わなければと思いましたね。
……私たち、家族なんだろうね。
長谷川:そうですね。家族であり、姉妹のようでもあり、友達のようでもある。でも、少しライバルでもあるんです。「相手にはこれができる。自分はこうだ」と、互いの違いを意識し、刺激を受ける関係でもあったと思います。
東山:家族、姉妹、友達、ライバル……。どれか一つだけでは言い表せない関係ですよね。こちらはこちらで、やっぱり“奇跡の二人”なんだと思います。
アニメ『名探偵プリキュア!』場面写真(C)ABC-A・東映アニメーション
――くれあとるるかの物語がひとつの節目を迎え、プリキュアも4人になりました。ここから先、お二人が楽しみにしていることや、気になっている謎を教えてください。
長谷川:ここまでの展開は事前にある程度聞いていたのですが、この先は本当に何も知らないんです。くれあとるるかの物語は、ある意味、ひとつやり切ったところがありますよね。
そうなると、次はみくるが一番、何かありそうな“匂い”がします(笑)。視聴者の皆さんも、少しずつ感じ始めているんじゃないかな。
最後はあんな自身の謎につながっていくのかなと思うのですが、まずは、みくるがどんな子なのか、どういう経緯で今ここにいるのかを、もっと知りたいです。
東山:ポチタンのことも気になりますよね。集めたマコトジュエルのかけらを、一体どこへ送っているんだろうって。すごく気になります。
長谷川:ポチタン役の加藤英美里さんも、現場で私たちと一緒にいろいろ考察しています。でも、本当は知っていて、ウソをついているかもしれないですよね(笑)。
東山:でも、「知らない」って言ってたよ?
長谷川:私も最初は、エクレールの正体について「知らない」って言っていましたから(笑)。
東山:たしかに!(笑)
長谷川:私たちも視聴者の皆さんと同じように、この先の物語を一緒に楽しんでいきたいです。
アニメ『名探偵プリキュア!』後期エンディング主題歌「いつかわかる☆きっとあえる」場面写真(C)ABC-A・東映アニメーション
(取材・文:吉野庫之介)
テレビアニメ『名探偵プリキュア!』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットにて毎週日曜あさ8時30分から放送。
