水瀬いのり、チーターに「励まされた気がする」 ネコ科動物から受け取った命の強さと温かさ
『ダーウィンが来た!』の人気キャラクター・ツノミン役を2018年から務めている水瀬いのりが、シリーズ最新作『劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち』で、ナレーションとツノミン役を担当する。世界各地で暮らすネコ科動物に密着した本作では、愛らしい姿はもちろん、狩りや縄張り争い、家族や仲間との絆、過酷な自然を生き抜くための選択まで、知られざる生態が映し出される。ライオンやチーターたちの姿に「人間にも通じるような優しさや思いやりを感じた」と語る水瀬。一方、ナレーションでは感情を前に出しすぎず、あくまで生きものを主役として「少し離れた場所から静かに見守る」ことを意識したという。ネコ科動物の意外な一面、ナレーションへの葛藤とこだわり、そして『ダーウィンが来た!』との出会いによって変化した、生きものや命へのまなざしを聞いた。
【写真】水瀬いのり撮り下ろしカット&映画を彩るキュートなネコ科動物たち(全23枚)
■ネコ科動物は“理想の上司”? かわいさの奥に見えた家族愛と野生の強さ
――今回は世界各地のネコ科動物が登場します。作品を通して、これまで抱いていた“ネコの仲間”への印象が変わった部分はありましたか?
水瀬:私にとって最も身近なネコ科の生きものといえば、やっぱり猫ちゃんです。子猫の頃はとてもかわいらしく、少しか弱くも見えますが、大人になると静かでどっしりとした佇まいになる。どこか達観していて、一匹でも生きていけるような強さを持つ生きものというイメージがありました。
だからこそ今回、ナレーションとツノミン役で作品に関わる中で、猫よりもずっと体の大きなライオンやチーターたちが、深い家族愛を持って生きていることが、とても印象に残りました。
これまで『ダーウィンが来た!』のテレビシリーズでも、ライオンやチーターの生態に触れる機会はありましたが、こうして長尺の映像でじっくり見つめると、「こんな行動をするんだ」「こんなふうに仲間を思いやるんだ」と、改めて驚かされることばかりで。その姿には、人間にも通じるような優しさや思いやりを感じました。私にとっても、大きな発見でした。
『劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち』ポスタービジュアル(C)劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち 製作委員会
――家族や仲間との関わりが描かれる中で、特に心に残った場面を教えてください。
水瀬:久しぶりに再会したライオンの姉妹が、特に心に残っています。再び出会えたことに姉妹の絆を感じる一方で、離れていた時間の中で、それぞれを取り巻く環境は変わってしまっていて。再会の喜びに浸る間もなく、また別々の道を選ぶことになるんです。
お互いの置かれた状況を瞬時に察し、どちらからともなく身を引く。その決断の早さにも驚きましたし、言葉を交わさなくても互いの意志が通じ合っていることに、強い絆を感じました。
人間であれば、もっと話し合おうとしたり、時間をかけて分かり合おうとしたりするのかもしれません。でも、厳しい自然の中では、それ以上関わり続けることが、かえって生きるうえでの障壁になる場合もある。彼女たちはそれを本能で察し、離れることを選んだのだと思います。
仲間を大切に思っているからこそ、共にいるのではなく、別れなければならない。その現実を一瞬で突きつけられたようで、「この世界は決して甘くないんだ」と、強い衝撃を受けました。
――そんな厳しい世界を生きる一方で、思わず頬が緩むような姿も見せてくれます。ネコ科動物の、かわいらしさとたくましさの振り幅をどう感じましたか?
水瀬:気を許してゴロゴロしたり、のんびり過ごしたりするかわいらしい姿があるからこそ、狩りの瞬間にスッと入る“野生のスイッチ”とのギャップが、いっそう鮮やかに映るのだと思います。
「怖い」「強そう」と感じるほどたくましい表情を見せたかと思えば、次の瞬間には無防備にゴロゴロしていて、「やっぱりかわいい!」と思わされる。その二つの顔を持っているところが、いい意味でずるいですよね(笑)。
かわいさとたくましさを併せ持つネコ科動物は、もし人間の世界にいたとしても、きっと魅力的な存在なのだろうなと思います。厳しくあるべきときは厳しく、甘えてもいいときには思いきり甘える。そんな姿を見ていると、「こんな上司がいたらいいな」と思えるような、理想的な“アメとムチ”を感じました(笑)。
『劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち』場面写真(C)劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち 製作委員会
