酒井若菜、40代で決意した「自分ファーストな生き方」――13年ぶりの写真集『ぴこぴこ。』がもたらした解放
芸能生活30周年という大きな節目に、酒井若菜が13年ぶりとなる写真集『ぴこぴこ。』(講談社)を上梓した。そこに刻まれているのは、かつてのトップグラビアアイドルとしての自負でも、成熟した女優としての重厚なメッセージでもない。自然体で自由な、ありのままの自身の姿だ。しかし、その飾らない「気ままさ」が、酒井の現状のマインドと見事に重なっている。
【写真】酒井若菜、美しさあふれるショットの数々 写真集『ぴこぴこ。』より(4枚)
■意味からの逃走――「ぴこぴこ。」という名の静寂
酒井若菜、13年ぶりの写真集『ぴこぴこ。』書影 (C)佐内正史/講談社
2013年の『I LOVE YOU』(ワニブックス)以来、13年という空白を経て企画された最新写真集。最初に出版社からオファーをもらったとき、酒井は「元々グラビアをやっていたので、露出度の高い“ザ・グラビア写真集”か“女優っぽい写真集”のどちらを求められているのかを確認することから始めました」と振り返る。
特に今回は芸能生活30周年という節目。大きな区切りは物語としての完結性を強要しがちだが、出版社側から提示されたのは「ノーコンセプト」というものだった。
「節目という言葉にはどうしても意味を持たせてしまいがちですが、打ち合わせの段階から、編集部の方は『作品自体に意味を持たせなくてもいいのでは?』と言ってくださいました。ただ湿度の高い大人の情緒ではなく、もっとカラッとした抜けの良さを大切にするということ。それと情緒的なロードムービー風ではなく、写真が一枚一枚ただそこに置かれているような構成にしたいというお話を聞き、それはいいなと直感しました。ストーリーもメッセージも持たない軽やかさこそが、今の私に相応しいと思ったのです」。
だからこそ、タイトルからもすべての「意味」を剥ぎ取ることにした。
「打ち合わせの際、意味を持たないオノマトペや擬音、例えば『ぴこぴこ』的な……と、本当になんとなく口にしたんです。そして、そのまま決まりました。とにかく変に重さのあるものにはしたくなかった。極力軽く、ただそこにあるような存在を目指した結果のタイトルでした」。
酒井若菜、13年ぶりの写真集『ぴこぴこ。』より (C)佐内正史/講談社
