仲村トオル、“伊藤淳史”依存症を告白 『バチスタ』コンビが最新作を語る
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伊藤は本作の持つ「すごく重いテーマ」を「今回は今までのシリーズの中でも特に『ここはこうですよ』っていう具体的なものをあまり見つけられないというか…ドラマからの明確なメッセージを提示することはとても難しいです。観ていただく皆さんに考えていただくことが、大きい部分かなっていう気がしています」と、視聴者となる私たちの心の中に作品が持つメッセージの答えを委ね、テーマの深さを暗に語る。一方、仲村は「それでもテレビドラマなので、見終わった時に『面白かった』って言ってもらいたい。誰にとっても人生の終わりの時は来るわけだし、関係のない人がいないテーマ。その辺りが重いけれど、面白いものになればいいなというのは、原作を読んだ時も今の段階でも期待していることですね」とエンタテインメントとして終末期医療を描くことへの信念をうかがわせた。
白鳥は本作でもいち早く物語の謎に迫っていくが、仲村は今回描かれる事件について「柳葉さんが演じる桜宮巌雄という医師がやっているかもしれないことが、僕自身は『犯罪かな?』と首をかしげる感じ」と。「例えば第一作の『チーム・バチスタの栄光』ではチームバチスタの中に疑惑があったし、これまでの作品と比べるとあまり敵と思えない。彼は人の道に反しているのか。そこには常に疑問符が付きます」と仲村は自身と役柄とに違いを感じながら作品と向き合う。本作において田口と白鳥を翻弄するのは「碧翠院」を経営する桜宮一族。二人のコメントから察するに、謎の中心にあって人々からの厚い信頼を集める桜宮巌雄は、特に一筋縄ではいかない人物のようだ。桜宮について、伊藤は「患者さんに寄り添う、立派な医師に見えるんですよ。だからそこに対して間違ってるっていうのを強く言えないし、正解なんじゃないかって思ってしまう。白でもなく黒でもなく、いろんな解釈ができるんです。もし敵役っていう言葉を当てはめるとすれば、そういう意味では今までで一番手ごわいのかなっていう気はしました」と田口からの目線で解説してくれた。
優しく純粋な田口とロジカルで口達者な白鳥を演じる二人だが、インタビュー中、仲村から突然「今回の現場で、僕は伊藤淳史依存症になっていたことに気づきました」という思わぬ発言が。「ある時期ずっと一緒に撮影していたんですけど、長い謎解きが終わった翌日くらいに白鳥が一人で病院にいるっていうシーンを撮った時、自分の中に失ったもののデカさみたいなものを感じてしまって(笑)。それにはビックリでした」と仲村は続ける。まさかの激白に伊藤は「今日は朝からシリーズ史上最高にトオルさんに褒めていただいてて…」と照れ笑いを浮かべながらも「お芝居の中での田口×白鳥があるように、現場で一緒にいる時に言ってくれることにすごい愛情を感じるんですよ。ちょっとしたイジりでも、ここまでやってこないとこうは言ってくれないとか…何ですか、この褒めあいは(笑)。面と向かっては言いませんが(笑)、ホントにトオルさんじゃなきゃここまでのものは絶対にできなかったと心から思っているし、感謝しています」と感謝の言葉を伝えると、取材陣を前にしたあまりの応酬に仲村も「だいぶ気持ち悪くなってきましたね…」と苦笑いを浮かべていた。
そんな二人が繰り広げるバチスタコンビのクスっと笑えるシーンは今回も健在だが、「意見が対立するシーンもある」(仲村)そうで。共に医療現場の謎を明かしてきた名コンビの新たな一面も期待させていた。(取材・文・写真:林田真季)
『チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮』は、関西テレビ・フジテレビ系にて1月7日22時放送スタート(初回15分拡大)。